ローマ人の物語
正直私も、“暴君”ネロのことだけは前知識があったので、ローマのお膝元で起こった大火災の対処や、いくつかの防衛(まあ、対パルティアのアルメニア王対策は間違っていたんでしょうが、ミスも致命的ではないし、並みというところかと)で見せていた能力がい…
えー、三馬鹿皇帝(不謹慎ですがこうとしか言い様がないっつーか、方向性はそれぞれ違いますし、真ん中のオトーの場合は主に「もう少し粘れ馬鹿」というか)の次のヴェスパシアヌス氏の辞世の句、まあ倒れた時点ですか、面白い人だと思いますが訳は本当にあ…
とりあえず、約20分ほどで一人ずつ終わってしまった感の強いガルバ、オトーを経て(ちなみにオトーはガルバの責任を着せられたという...orz早)。良いことも悪いことすらしなかったヴィテリウスは一先ず置いておいて、次のヴェスパシアヌスが準備を始めま…
50過ぎ、それまでの人生のほとんどを「歴史書」に費やしていたという文人皇帝といった感のあるクラウディウス。 総合的な評価としては塩野さんの「アウグストゥスは彼のことを断罪などしないと思う」で十分なのではないでしょうか、うんまあ、あの性格だと…
馬鹿だった、と言い切ってしまうには人間としての一線は越えていないように思いますし(いやまあ、皇帝としての一線はぶっち切っていたとは思いますが)、しかし、塩野さんが言うように「頭が悪くなかった」とも思いにくいんですよね。 ちゅーか、シンプルな…
“カエサルの章”の些か行き過ぎたカエサル贔屓は受け入れられるかどうかで大きく印象が変わってくるのではないかなぁ、と思うのですが、この巻に見られる二代皇帝(と呼ばれることすら嫌がりそうだw)ティベリウスへの擁護はよくわかりましたとも。 うん、日…
なんというのかこう、人としてあんまり言っちゃいけないことのような気もしないでもないんですが(でも為政者だしなぁ、まあ我々のものではないですが)(個人的に責任を負う者はある程度は「無責任な批評」に耐えるべきだと思っています、ある程度ですけど…
細かい失敗はあるし、欠点もあるもののそのフォロー能力に長けた(ある意味、戦争が苦手だった分、特に強い態度に出られなかったことを考えるとその部分に関しては先代を超えているかもしれませんね)カエサルの後継者の2冊め。 戦争に弱い分、ちゃんと撤退…
ユリウス・カエサルの後継者争いとしての内戦を経て、本格的に“オクタビアヌスの章”へと突入したわけですが、まずこの方は体が弱い、戦も弱い(カエサルさんが付けてくれていた軍事上のパートナーも、どっちかというと手堅い極地戦向き)(ぶっちゃけて必要…
私には正直、“カエサルの章”は「絶対正義のカエサルに逆らうわからず屋」をどう処理していったかの書き方をされていたようにしか読めなかったというか。 いやまあ、納得できる面も多いんですよね、キケロは確かに実行力と意思に欠けるし。 カエサルを殺した…
なんというのかカエサル自身が「悪い」とは思わないものの、なんで殺されてしまったのかは正直わからないでもないな、というか、なにを計画(実際にはこれ、次世代のものであったわけですが)してるのかがさっぱり知らされていなくて。 なにか盛んに既存勢力…
前巻のラストでカエサルさんがのっそり本土防衛ラインの「ルビコン川」を越え。 その時点で元老院派が蜘蛛の子を散らすように逃げてしまったもので、首都ローマに堂々と入り、それ以前に元老院権限で出されていた自身の国家反逆罪を撤回(元老院ってとことん…
“ルビコン川”というのはこの時点、ぶっちゃけてカエサルさん自身がここを越えるまで本土防衛ラインだったところで、この川を軍隊を維持したまま(無許可で、ですね、凱旋式は時々やってたわけですし)越えたことで「クーデター」の意思ありと見做され。 ほと…
んー、まあ塩野さんのご本は概ね面白くはあるんですが、クラッススはろくでもないかもしれないけれど私は馬鹿ではないのではないかと思いますし。 (そもそも人望がなかったらお金で票を買えば済むし、元老院議員たちが盛んにやっていたように地方長官になっ…
この巻で一旦、一世代前の“マリウスとスッラ”の時代へと巻き戻り、そこで若い頃の記録がほとんどないというカエサルという御仁を、当時のローマの習慣やいくばくか推測を含めて語る、という内容なのはいいのではないかと思うんですが。 次の世代にあたるカエ…
けどまあ、スッラの後継者たちがスッラの"意図"、寡頭制、元老院制度の維持擁護というところを理解していたかなぁ、というと若干疑問で。 元老院と対立する市民代表の護衛官の権力低下のための布石くらいとしか思われてなかったんじゃないかなぁ、というか、…
ローマの地を、他者に開こうとして(最終的に市民にまで反対されたのはここだよね)、殺されてしまった二人の兄弟を皮切りに、対外的な問題は解消されつつある時代の内側からの混迷を扱ったこの巻(上下巻ですが)。 要するに問題の根っこは「戦争」を義務と…
カルタゴ本国に踏み込む形でハンニバルを下し(しかし、ハンニバルさんの一生って一体なんだったんだろう、あれだけの能力を持ちながら)、ギリシャ人からの要請によって他国を侵すマケドニアに釘を差し。 いずれもそれ以前の寛容の方針を貫いたものの、ギリ…
ローマの宿敵(というか、むしろ父ハミルカルさんとハンニバルさんのせいでそうなったというか)であるカルタゴの地を飛び出て、現代のスペインの地で結構上手くやっていたハンニバルさんは(叔父さんは殺されちゃってますが)、なんでまたそんなローマに対…
基本的にこの巻では対カタルゴ(大雑把に北アフリカ辺りの都市国家)戦である“ポエニ戦役”の第1弾が主に取り扱われていたわけですが。 ぶっちゃけて、あとちょっとでハンニバルさんが出てくるよ!! という前哨戦のようなものかと理解してみたんですがどう…
基本的に、対外的には戦いの主流がエトルリア人(そもそもの併合政策のきっかけになったザビーニ族の次に同化された民族でもありますね)からサムニウム族(山岳民族でゲリラ戦法で、正直ローマ側は舐めていたわけですが、相性の問題なのかめちゃくちゃ強か…
正直、一体これで何度目の読み直しだったのか自体を失念してしまったというか、覚えていないのですが、興味がないわけでも(古代、あと宗教史が少し前までのメインでしたし、そう外れてはいないよね、ドンピシャではなくても)、面白くないわけでも(読みや…