日本中世史

「籤引き将軍足利義教」今谷明

んー、うーん、要するにこの本では籤引きってのは神意の演出としての手段だったんじゃないのかな、ということが触れられていたってことになるのかなぁ。何回も引いていたとか、用意した時点で恣意があったとかの解釈の幅はあったけど瑣末な気がする。幼児3…

「中世のみちと都市」日本史リブレット025、藤原良章

中世のみちと都市 (日本史リブレット) 作者: 藤原良章 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2005/10 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る そんなに悪い本ではないと思うんですが、というより、わりとわかりやすい…

「応仁記」日本合戦騒動叢書2、志村有弘

もともと足利幕府において(でも三管領の家とは別なのね? 三管領は細川、畠山、斯波)有力だった、山名と細川が分裂したことが応仁の乱の原因だと「誇張されている」ということを少し前に本で読んだのですが、まあ実際、そこが割れなければ少なくとも実際に…

「中世のかたち」日本の中世1、石井進/網野善彦・編

2002年の刊行で網野善彦さんの名前は前から日本の中世史の本で時々お名前を見掛けていたんですが(実言うとヨーロッパの中世の本探す時に検索引っ掛けたんですけどもw)、当時はちょっと尖がったテーマだった中世の本もすっかり増えたよなぁ。それより…

「応仁の乱と日野富子-将軍の妻として、母として」小林千草

いささか正直なところを言えばこの著者さんの日野富子像はさすがに現代人に寄せられすぎているのではないか、とは思わないでもなかったものの、この当時の前後の出来事を思い返してしまうとなんとも言えない(気味が悪いほど理由も判然とせず、人が死ぬし殺…

「応仁・文明の乱」戦争の日本史9、石田晴男

とりあえず半分すぎても「応仁の乱」が始まらなかったことにはいささか異論があるんですが、むしろこの本では唯一なにやってたかわかって良かったよ、畠山政長(ごめんなんかこの人のほうが事情すっきりしてて贔屓したくなる、ところで係累の説明がされてい…

「「鎌倉」の時代」福田豊彦/関幸彦・編

正直手に取るまでわからなかったんですが論文集ですねこれ、んー、鎌倉街道などに関しては最近かなり研究が進んでいるので読んでいて意味もわかったんですが、例えば「鎌倉」という単語が公的資料に出てくる回数や傾向についての時代的変遷の分析とか。木曽…

「図説 浮世絵 義経物語」藤原千恵子

正直なところこうやって歴史順に並べられてその中でも特に力作が厳選されて、絵そのものの解説と歴史語りがあると非常にわかりやすい本だとは思うんですが(これが入門書でいいんじゃないかな、というレベルですね、丸ごと展覧会にしても良さそうだなぁ)、…

『図説日本文化の歴史(5 鎌倉』

この中で一番印象に残ったのはそれまでせいぜい貴人のものでしかなかった仏教の救済が民衆のものとなった、女に対しての救済への徹底的な排除に対しての(ものすごく念入りにどれだけ女が駄目かって語られてるのなww)批判があったという辺りかなぁ。本の…

「図説 源義経-その生涯と伝説」河出書房新社編集部・編

えーと、さすがに鎌倉幕府は覚えてるんだけども、このあとが室町時代ですよね、で、戦国、で、この源頼朝の前が平氏の支配でその前の時代の呼称が平安時代、もともとその平安の貴族社会の守りとして使われたのが平氏と源氏で、この姓ってのはそもそも天皇の…

「国府-その変遷を主にして」教育社歴史新書 日本史44、木下良

そもそも東京都がかつて埼玉県と神奈川県の一部をなしていた「武蔵国」という地域だったことは地名や企業名などにも残るし薄らとは知っているものの、その国がどういう統治体制だったのか、と聞かれて概略でも説明出来る人は歴史趣味の中であっても少ないだ…