財界/こんつぇるん
同じシリーズの『三井グループ』を読んでからこの本を読んだのですが、うーん、思った以上にだいぶ差が付いていたなぁ、というのが正直なところかなぁ。戦前は概ね同格というか、どのような角度で見るかで三井三菱のどちらが上かは解釈が別れてたんですけど…
私が読みたかったのは日露戦争ののちに重工業が急速な発達を見せた、という部分だったんですが(で、どうも関東大震災の頃までに都市人口の増加の原因になったらしいです、日露戦争が明治37年から38年まで、関東大震災は大正12年ですね)。それが直接…
まずそもそも三井グループというのはどこからどこまでか、ということだと今はわかりませんが(1978年刊行)、この本の時点だと「二木会」の参入メンバーなのね、正直「月曜会」のほうが知名度上のような気もしますが、財閥全体の本だとそれが出てくるし…
日本の地方財閥30家 知られざる経済名門 (平凡社新書) 作者: 菊地浩之 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2012/02/17 メディア: 新書 クリック: 19回 この商品を含むブログ (8件) を見る もともと財閥と呼ばれたのが「甲州財閥」が最初だというのは知らなかっ…
日本の15大同族企業 (平凡社新書 516) 作者: 菊地浩之 出版社/メーカー: 平凡社 発売日: 2012/01/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る すごく正直なところ現在各企業に関しての論文(他に本がないんだ!)を読んでいる状態で新書に手を伸ばす…
この本の中に出てきた人物の中で全くわからなかったのが(いや名前を見たことくらいはあるんですが、周辺読んでるし)、どうも日本郵船に深く関わってる郷誠之助とその父親である郷純造だったんですが、郷純造が川崎八右衛門の舅ってのもなんか重要案件っぽ…
フィランソロピーよりもひょっとしたら日本人には「ノーブレス・オブリュージュ」のほうが馴染みがあるかもしれないくらいなんですが、企業の社会責任みたいな概念で、正直日本の社会に根付いていたことがあったのかな、どうも企業単体の良心に委ねられてい…
正直このタイトルを見て、三菱当主(4代目の岩崎小弥太と、3代目の久弥も引退したけど生きてるし)などの去就について語られるのかな? と考えていたんですが、事実上昭和2年の段階で大病して、それ以降、事実上の本社である三菱合資の体制も微妙に上手く…
近世の頃の鉱山というのは基本的に技術が限られていて、近くの木材を切り出し終わってしまったり(でも日本以外だと文明そのものの崩壊の原因になってたりするからまだいいほうだよ)、奥に行けば行くほど坑道が狭くなっていき、良質の鉱脈からでないと精錬…
物語 財閥の歴史(祥伝社新書) 作者: 中野明 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2014/02/03 メディア: 新書 この商品を含むブログ (2件) を見る もともとわりと資料がすっきりしている住友はともかく、三井や三菱にもちょっとずつ曖昧な時期があるように思うん…
上巻はとにかく丸の内ビル管理にまい進していて、気付いたら独立、戦中戦後には食糧の生産まで手掛けていたことがないでもない(仕方ないよ非常時だしw)三菱地所ですが、正直それも大変面白かったんですが、下巻はさすがに普通にディベロッパーでしたね!…
福沢山脈(下) (日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 8-2) 作者: 小島直記 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2011/11/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る えっと、もともと森村財閥ってところと福沢諭吉との関係…
福沢山脈(上) (日経ビジネス人文庫) (日経ビジネス人文庫 グリーン こ 8-1) 作者: 小島直記 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社 発売日: 2011/11/02 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 前に読んだ福沢諭吉の本では洋学派として分類されていた…
上巻でも東京海上そのものの誕生から語られていたためにロンドン支店が出てくるまでにだいぶ時間が掛かったんですが、下巻でも早々に支店の閉鎖を決めてしまい、この本の二人の主人公のタッグによって国威のためにロンドンに支店を置きたいという本社をねじ…
この間、確か『日本産業史』を読んでいた時だったかな? 井上馨や渋沢栄一を中心として鉄道(最初に作られた新橋-横浜)を払い下げようとしていたものの、明治9年の時点でその資金源が断たれてしまい、と説明されていたんですが。これが金録公債(明治9年…
ところで少し前から「三井と三菱はどっちがマシか」ということが地味に気になっているんですが、この見事な一長一短というか。三井贔屓の人は三菱が気になるし、三菱贔屓の人は三井が気になるし、みたいな。この著者さんはあくまでも日本の資本経済を語る上…
岩崎弥太郎と三菱四代 (幻冬舎新書) 作者: 河合敦 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2010/01 メディア: 新書 購入: 2人 クリック: 58回 この商品を含むブログ (20件) を見る まあちょっと正直、説教臭いというか教条的というか、そんなところが気にならない…
岩崎小彌太―三菱を育てた経営理念 (中公新書) 作者: 宮川隆泰 出版社/メーカー: 中央公論社 発売日: 1996/08 メディア: 新書 クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る 一応三菱財閥に関しては「明治末期に三井の次に財閥として形成され、住友や三井…
オーシャニック・グループというのは明治9年の時点でアメリカの発展著しいNY(他の都市と比べて人種的な制約が少なかったみたいですね、日本人に対しても厳しいけれど、そもそも他にたくさんの民族がいて皆厳しいのは同じっていう)に渡った5人ほどの青…
東京人 2013年 12月号 [雑誌] 出版社/メーカー: 都市出版 発売日: 2013/11/02 メディア: 雑誌 この商品を含むブログを見る 正直そろそろここら辺を読み始めて…2年くらい? もっとかもですが、そのくらいにはなっているので、それこそこの特集に書かれていた…
もともと最初に三菱商会、かな? 名前がいろいろあるみたいでちょっと迷うんですが(三菱商船って呼んでいたのがなにが元かと思ったらそういう名前の学校があったのね、わりとばらけて表記されてる感じですw)、この三菱系の海運会社のことを知ったのは浅田…
この手の本を読んでいると正直自分の贔屓対象に甘く、そのライバルに対して厳しく、ということがあるんですが、最後まで読んでも特にどこ贔屓なんだかわからなかったんで別にいいんじゃないかしら。てか三菱メインなんですね、ああ、確かに三井にキツいこと…
うーん、まあなんというか、もともと三菱関係の本を読んでいると他の系統の本よりも思い込みのような部分が多く(私が現在認識の底本にしてるのは『三菱銀行史』なので、さすがにこれに年代の間違いはそうはないかなとw)、暴走気味なのも慣れてはいたんで…
外貨を稼いだ男たち 戦前・戦中・ビジネスマン洋行戦記 (朝日新書) 作者: 小島英俊 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2011/02/10 メディア: 新書 この商品を含むブログ (5件) を見る どちらかというと初期の金融史や、財閥や小さな商会などの話が知り…
三井財閥の本と同じく(三井には近世・明治だったけども)、明治編と大正編とで本が別けられているんですが、三井財閥がそもそもその時点で始めて「財閥」という体裁を整えたのとは違って三菱は比較的初期から財閥の形態に近く、どちらかというと明治末の頃…
政商という括りそのものは三井財閥と同じなものの、ジャンルというか業界というか、立ち位置も関わり方も全く違ったんだなぁ、としみじみ。そもそもこないだ読んだ三井財閥史は「近世・明治編」なんですよね、で、意外とその違いってのは大きくて、そもそも…
一度昭和50年に出版された本だとのことなので、正直内容については仕方ないこともあるのだとは思うものの、ううん、これ、調べられなかったのかな。それともわざと組織名をわかりやすく改変してるのかな、でも合併前の名前だよね、省略したのかと思ったら…
直接この特集を手に取った動機は、この本の中でも語られていた三井記念美術館で開催されていた茶道具の展示を見に行ったことなんですが(私はどちらかというと名品でもそうでないものもずらっと並んでるほうが好きです、正直名品「だけ」だと流れがよくわか…
三井財閥がなぜ日本一の規模になったのか、というと、確かにそれこそ江戸時代に関しては先進的な存在だったとは思うんですが(現金掛け値なしとか庶民にも購入可能にしたとかね)、なんだろ、あとはひたすら「生き残っただけ」というか、そもそも政商として…
そもそも初代がこの鈴木商店を立ち上げ、その未亡人が凄腕の番頭に経営を任し、彼がほとんど生涯掛けて突っ走って拡大しすぎて破綻した、というだけの存在だと言ってしまえばそれだけの話なんですが、例え一瞬とはいえ「三井や三菱をも圧倒しかねない、世界…