@ふらんす

「エリゼ宮の食卓−その饗宴と美食外交」西川恵

大雑把にまあ、ワインの格付けにも縁がなく(格付けが存在する時点で「縁が遠い」)、料理の名前くらいは見たことがあるものの、その味だのワインとの相性だのはさっぱり、という人間にとっても面白かった、という時点で大したものだと思うんですが。 とりあ…

「テンプル騎士団の謎」レジーヌ・ペルヌー

テンプル騎士団というのは“神殿”騎士団という意味で、どういうわけか「ユダヤ教徒はなんか食堂って呼ぶんだよねー」みたいな会話が確か本の中で交わされていたような気もするのですが、聖地に向かうための欧州からの巡礼者を守るために騎士団として設立され…

「EC市場統合」アルマン・ビザゲ

一言で感想をまとめてしまえば、フランス人ってひがみっぽいなぁ、というか、確かにECの“市場統合”ということを目論んでいる場合、域内各国の特色やデータというものは必要でしょうが、ものすごくぶっちゃけて日本のサービス産業の数値が多少低くても生活…

「フランスものしり紀行」紅山雪夫

正直言えばタイトルと、あと、ヨーロッパ篇やイタリア篇などを出している関係上、一冊の範囲は薄いのかな?(逆に言えば、まあ、それでも許せるというか) と思わないでもなかったんですが、失礼致しました、もちろんあくまで地域順である関係上、完全に歴史…

「百年戦争−国家財政と軍隊」山瀬善一

“百年戦争”というのはイギリスとフランスの戦争で。 まあ、詳細は省きますが、これより昔、フランスの地方豪族がイングランドの地を征服し、王族にフランス王家の血が流れ込んだため、フランス側で王家が断絶した時、今から聞くとちょっと信じられないことに…

「フランス語はどんな言葉か」田辺保

個人的にはこの前読んだ料理の本と同じく、少しでも“フランス語の歴史”や成り立ち、誕生や起源に触れてないかなぁ、という目的で手に取ったのですが(ならなんで『フランス語の歴史』というまんまの本を手に取らなかったのか、というと、ぶっちゃけてフラン…

「英仏百年戦争」佐藤賢一

イギリス側の“英雄”、黒太子エドワードは名前だけ。フランス側の“救世主”であるジャンヌ・ダルクはもちろん知ってはいたんですが、どうも民間で伝わっている話が有名になったのはずっとあとのナポレオンの時代なのだとか。 んで、当のタイトルの「英仏百年戦…

「ラングドックの歴史」エマニュエル=ル・ロワ・ラデュリ

ラングドックというのは要するに、南フランスの地中海に面した一地域を指す言葉で、さていつ頃からこの地に言及できるかな、ということを考えると氷河期?(前過ぎるよ;) という答えが返ってくる辺り、どうもどちらかというと実際の地形によってなんとなく…

「フランス料理を築いた人びと」辻静雄

まあ、どちらかというと私が目的としていたのは、ちょうどこの本の著者さんがせっせと探していた側の“フランス料理そのものの歴史”ではあったのですが(要はカトリーヌ・ド・メディシスがイタリアから持ち込んできたとかそういうの)、時代は18世紀から1…

「ド・ゴール」村松剛

この本は第二次世界大戦の中、連合/英米側についたロンドン亡命政府“自由フランス”のド・ゴール(この頃には政治家というより純粋な軍人ですね、カリスマもいまいち)と、ちょうど対比するように存在していた、ナチス・ドイツ軍に降伏した“ヴィシー政権”を…

「パリ−世界の都市の物語」木村尚三郎

とりあえず、パリに心酔した自分自身に酔っておられても、別にそれ自体には全く罪はないと思いますし(少なくとも少々なら)、パリと日本を比べ、後から自分で選んで移住した都市に高い点を付ける、というのも全く自然な感情だとは思うんですが。 並べられる…

『21世紀仏教への旅』4、禅の最前線・中国/フランス

んーと、そもそも禅のルートとしてはボーディダルマ(インドから来られたそうですがなんか辿れないっぽいぞ)が中国に持ち込み、それが日本に来て、それからフランスに、、、て、そういえば、日本の文化って余所のものを貪欲に飲み込むってよく言われますが…

「はじめてのフランス語」篠田勝英

一体まあ、なんでこの本を読んだかというと私は英語がいまいち駄目で(日本語は国外使用がほぼないものの、総人口だけで十分主要言語の一つなんですよ)、いっそ理論から入ってみるかー、ということで別言語。 フランス語を選んだのは、流通・影響からいって…

「ルーヴル・美と権力の物語」小島英煕

正直まあ、フランスにもパリにも些か悪い言い方かもしれませんが“気取った”イメージがありまして、しかもそのパリの王宮のあった地・ルーヴルに。世界一有名、といってもいいルーヴル美術館があるよ、ともなるとなんかそこで引き返したくなる人のほうがむし…

「メロヴィング王朝史話(下」J.N.オーギュスタン・ティエリ

上巻で一旦ネウストリア王キルペリク(諸悪の根源? フレデグンデ王妃のような気もしますが、この方元奴隷ですしねぇ、ある程度の足掻きはしょうがないっつーか)が亡くなったところまで時代が進んでいたんですが。 ここで次の代に、ということはなく、主に…

「メロヴィング王朝史話(上」J.N.オーギュスタン・ティエリ

まあ、個人的にどうしてもシギベルト王の味方をしたくならないでもないんですが(いくらなんでも「あんな」理由で殺された王妃様可哀想だし)、いい王かというとやっぱりちょっとそうは判断しがたいわけで。 ある意味でどのような理由であろうとも「戦を回避…

「クローヴィス」ルネ ミュソ=グラール

まあ大雑把に言ってしまえばほぼ現在の“フランス”の地に、最初に国を打ち立てた(それ以前にローマ属州ガリアの地は存在するわけですが)(中心となっていたのはどちらかというと南仏の地で、この王国以降もそれは長い間保存されていたのだとか)フランク王…

「パリの歴史」イヴァン・コンボー

この地の記録で一番古いのはローマのユリウス・カエサルの『ガリア戦記』(とはいえ、彼自身が後のパリへの遠征をしたわけではないそうですね?)の中のパリッシー族の要塞、ルナティアの地で、その後、ローマ帝政の時代をガリア地域の周辺都市として過ごし…

「フランスの外交力−自主独立の伝統と政略」山田文比古

国連さん(無駄に敬称が)の安保理・常任理事国の一国の外交の本。 巨大すぎて結果的に調整役には向かないアメリカ、社会主義国であるために否定的意見が多くなりがちなロシア、中国などと比べて外交が活発で、軍事ともなると米国と足並みを揃えがちなイギリ…

「くそったれ、美しきパリの12か月」スティーヴン・クラーク

あくまで小説であってノン・フィクションではないのですが、いわゆる解説にも「どっちかわからん」というようなことがわざわざ断ってあるように、なんとなく居心地の悪い思いを多分皆するのではないのかな、というか、アメリカ人の“悪友”が出来た辺りが転機…

『世界わが心の旅』#1 フランス 中世の街角で

パラドゥー−Wikipedia 「ヨーロッパ中世は暗黒の時代ではなかった」という発言は、正直私が歴史系に入った頃には生きていた言葉で見たことがないとは言わないんですが、今となるとちょっと感覚がわかりにくい上に当時は中国メインなので文字記録残…