「NATO−変貌する地域安全保障」谷口長世

NATO―変貌する地域安全保障 (岩波新書) ええとまあ要するに、北米(アメリカ・カナダ)と欧州の安全保障制度のことで、ある程度有名になったのはいくつかの紛争に出張ってきてからと思いますが。
別にNATO軍てのがいるわけじゃないよって今どうなんだっけか、この本の発行が2000年で、とりあえずはその時点では各国軍隊の寄せ集め(よってアメリカへの依存度高し)、それぞれがNATOに即時対応が出来る軍隊を用意しておこうか、ということで実行が始まってきているようなところでした。しかし仕組みが難しくて理解出来なかったw


で、あと結構面白かったのがソ連→ロシアとの関係と、フランスが表舞台に引っ張り出したものの、小国ではまだまだ根強いドイツへの不信感でしょうか。東西ドイツの統一の時の周囲の反応って外から見てる限り全然知らなかったなぁ、万が一とか考えての行動を起こしてたり、反発を示していた国とかあったんだ。
とりあえずまず“ワルシャワ条約機構”(どきっぱりとソ連側軍事機構)との対抗的存在としての存在価値として出発したNATOは、その後≪ベルリンの壁≫の崩壊、ソ連の解体によっての冷戦の終了とともに自らの立ち位置を見失い。
ロシアと接近したり、アメリカに割り込まれたり、アメリカ主導で似たような軍事的約束“平和のためのパートナーシップ”PFPが作られたり(両方に参加してる人が「どこが違うか知らん」とか言ったという)。ユーゴスラビィアの紛争において、手を拱いて事態を悪化させたりとかあれやこれやという展開を経て。
EUが単独の軍隊を作ったりしたら存在価値また危ういよねー(そもそもWEUという欧州のみの軍事同盟があったりなかったり)、という話でもってこの本はおしまい。
最近また影が薄いので今NATOがどうなのかわかりません(EU軍はないよね)。