「戦争と救済の文明史」井上忠男

戦争と救済の文明史―赤十字と国際人道法のなりたち (PHP新書) “赤十字と国際人道法のなりたち”が副題、そもそも日本人て赤十字は好きだろうと思うんですが(ユネスコと似た文脈で)、国際人道法に関してはピンと来ないんじゃないのかと思うんですが実際に過去においても調印せず。現在は、まあしゃあないかと。
(さすがに現状の日本に捕虜の扱いに関しての条約に参加する必要は薄いかと。)
えー要するに、捕虜の扱いに関しての条約がジュネーブ条約
赤十字は今では扱い範囲がかなり広くなっていますがもともとは戦時にその怪我人を、敵味方の区別なく治療する、という中立の組織。現在は赤十字そのものが超法規的なニュアンスを帯びてもいますが(日本でもいくつか赤十字を利用した攻撃支援やった過去がありますが、ぶっちゃけてこれは皆が守ってる中では違反しないほうがお得)、その初期に赤十字の安全と行動を保障するために必要だった条約がだんだん拡大していったものが国際人道法、という流れになるようです。これはかなり大雑把で、もちろん独自の「停戦」とか武器制限とかの方向にも発展してますけどね。


もともと赤十字の骨子はスイスのアンリ・デュナンという人が、商談に出掛ける途中で戦争に行き会ってしまい、そこの現地の救助隊に混ざって忙しく立ち働いている間にそのことが生涯頭から離れなくなってしまったらしく。
組織の牽引役になって赤十字の組織を立ち上げたあともふらふら、ふらと。
(ちゃんと評価されなかった、という言われ方されることもありますが、どっちかが悪いというものでもないのではないかしらこれ。)
日本も捕虜の扱いに関しての追加条項には参加しませんでしたが、イメージよりはマシな扱いだったようです、内地は、、、って内地の捕虜なんて数いないのでは...orz