「石油を読む−地政学的発想を超えて」藤和彦

個人的に「ああ、地政学も読まないとな」とリストにある入門書をチェックしなおすという段階なので超えるもへったくれもないわけですが、中国が地政学的なしがらみで石油を輸入する国を間違えてるかもね、と言われると、ああ、すっげーありそう、と思います。
つか、中国に直接言ってもそうかも、と言ってくれる気がします。
(自分たちの利害に直接関わることは素直なんだよ!)(褒めてない。)
そして日本は中東への依存度が高いんだけど、それは品質の問題なんだよね(品質によって用意する施設が違うらしいっす)、もう少し分散しないと危ないよねー、という指摘がされていましたが、それ自体はともかく、ここで別の施設にちょっとずつでもシフトしていかないのが日本人(政治的にはなんだかんだとノンポリかと思います、悪い意味で)。


ていうかこう、同じ著者さんの別の本も読んだのですが、天然ガス使おうってばー! というご主張のようです、貯蔵年数がすでに石油より高い上に石油を探す「ついでに」産出されているだけでその数値という優れもの、ただし、パイプラインで直接つながない限り使えない初期投資が高い、という条件は実際日本向けかと。
んで、日本では天然ガスは現在固形のLNGしか使われておらず、しかしそれ自体はやっぱり近隣に産出地域がなかったという事情のためだったんですが、近隣でもぽちぽちと知られて来、はしたものの日本は満遍なく周辺国との関係が悪いという、あはははw
そして固形の分まで石油からの燃料シフトでアメリカ等に取られるという。
あと、石油の値上がりのメカニズムなども説明されてましたが、まあ、市場なんて不安で揺れる上に滅多にコントロール成功しないよね、むしろコントロールされるかも!! という不安のほうがよっぽど影響力あるよね、という。そのくらいかしら?