「グローバル経済を学ぶ」野口旭

正直、なにか読みながら「正しいとは思うんだけどなんか引っ掛かる」と思い続けていたんですが、適者生存と生物多様性だよな、という結論に達しましてね、しかしそうとわかってみると案外この著者さんはそのことちゃんとわかった上な気もする。
日本人、じゃなくて素人って結局問題をごっちゃにするから別けたのかな?
適者生存は要するに弱肉強食、弱い産業なんて保護しても無駄じゃん、て感じ。
生物多様性は複数の環境で生き残るために複数の進化が必要だよね、というようなのがざっくりした表現です、そもそも単体生殖じゃなくて性別が雄雌に分化したのもそれが目的だしね、経済に引き寄せて表現すると“独占や寡占は市場原理が働かなくなる”ということでよろしいかと思います。で、よく考えると著者さんそれにも軽く触れているのですよ。


まあ要するにグローバル経済の弊害とか言われているものって、国内メーカー同士の競争や買収とどこがそこまで違うんじゃい、というところから始まって(言われてみれば)、生産効率がどれだけとある二国の間で違っていても(日本と比べると、アメリカ人のがどんな産業にも人数使う、という例になってましたが多分事実なんだろうねあれ;)、それでも貿易のために生産を特化していくと両国にとってメリットがあるんだよ、という説明。
貿易黒字も貿易赤字も、それ自体が悪や善ではなく、ただの経済状態でしかない、むしろ貿易赤字であるアメリカには産業のための資金が流れ込んでいるはずだ、ということだったんですが、言われてみればそうですね(これは自然な経済行動でそうなるのだとか)。
今の環境問題はどうやって組み込むのかな、と思ったら2007年の本なのか。
確かに貿易自由化によって国内は一時的に一部の産業は衰退するけれど、それでも生き残るところは生き残る、いつまでも保護は出来ないよ、というそんな内容でした。確かに。