「フィリピン」目で見る世界の国々3、M・M・ロジャース

東南アジアの一国、複数の島で構成された日本の国土から北海道を引いた程度の国土で、なんちゅーか、最初の島の紹介の時点で首を竦めてしまっていたんですが、どうもかなりの割合で島の名前を存じ上げていますね(首都のあるマニラなんてのはまた別として)、、、いやうん、確か私の祖父よりもちょっと上くらいの世代だな、この辺。
正直、フィリピンって単位で認識してなくてすみません。
もともと複数の民族の混成する地域で、言語も宗教も統一性があるわけではないようなんですが、ある意味、「フィリピン」という言葉がそもそもスペイン語から来てる辺りからしても国そのものがスペインの支配(とその支配に対する反発)によって生まれたと考えてしまっても間違いではないのかなぁ、と。
いや、この辺は微妙なので今私が知っている程度の知識だと、という前提になりますが、最大の民族でも大雑把に“マレー系”としか括れないみたいですし、言語にしても宗教にしてもどうも多数派という存在がないようで、逆に揉め事になることもないみたい。


スペインの支配からアメリカへと移り変わったものの大地主制が続行されたために現地住人の地位は向上せず、独立運動は盛んではあったのですが第二次世界大戦下の日本の侵攻時にはアメリカと妥協。戦後は段階的な独立とそれと引き換えにしたアメリカ軍駐留の受け入れ、その後、ベトナム戦争などの時期にはアメリカへの従属への反対運動も存在。
んで、結局国内の民主化反対勢力に暗殺された政治家の未亡人、アキノ大統領が出てきて以降徐々に安定化、ということなのですが、ちょっと現代史が食い足りないな、欧米系じゃなくてもう少し近い地域の人の視点でもう少し読んでみたいですね。
そもそもこの本もAPECって言ってるし古いんですが(今はASEANだよね)。