『禁断の聖書』#2 キリストのライバル

ギリシャのアポロニウスにはイエス・キリストの生い立ちと酷似した伝承と生き返りのエピソードが、サマリアのシモンには空中浮遊の奇跡が、マリア崇拝の胸像はエジプトの女神イシスがモデル、ワインとパンを“血と肉”に見立てる儀式はミトラス教徒の秘儀。
ああ、そういえばキリストの誕生日になっているクリスマスもミトラス教の祭りが盛んだったのでキリスト教に取り込むためだったと聞きますね(キリスト教側の資料で残っていたのではないかと思いますが)。
そして比較的初期に盛んだったグノーシス派が伝えた「よく笑う人間らしいキリスト」の伝承はキリスト教内部の権力闘争の末、闇に葬られ、異端の烙印が押されてしまったそうで、最近見付かるまで知られてこなかったのだとか。
ナグ・ハマディ写本−Wikipedia
基本的にこういう他派からの取り込みはシンクレティズムとも呼ばれていて、わりと珍しいことではないんですが、、、オリジナル部分残ってるのかな;


ご存知『旧約聖書』はユダヤ教の歴史書を分捕ったものですし、彼らの救世主は「王→戦いのリーダー→民族の開放者」であって全く違います(イエス・キリストを救世主と認めるもなにも行いから定義から全く別物)。番組の中でキリストに洗礼を施したヨハネのことを、彼の信徒たちが“預言者”と呼んでいたのはそのせいです、イエスさんを否定してもヨハネさんを救世主扱いはしないわけ。だって別物だし。
だからそもそも、戦いを指揮したバル・コクバ(ユダヤ戦争というローマからの独立運動、勝ったけど当然その後制圧)を救世主だと期待するのが正しいんだよ...orz
キリスト教が、排他と軍事と権力にまみれてるのも無理ないのかなぁ、これじゃ。