「聖女の遺骨求む」修道士カドフェル1、エリス・ピーターズ

聖女の遺骨求む ―修道士カドフェルシリーズ(1) (光文社文庫)

聖女の遺骨求む ―修道士カドフェルシリーズ(1) (光文社文庫)

まず“聖遺物”というものが教会に必要になったよ、という前提があり(客寄せですね)。
とある地方に「傷を治すよ」という聖女がいることを夢のお告げで見たと修道士が言い出したもので、その地にその聖女の遺骨を迎えに皆で行くことになり、そしたらその地で殺人事件が起こったよ、というようなお話。
この段階で大概現代人には付いて行きにくい面がないでもないんですが、カドフェルさんは、聖女や奇跡そのものには多少のシンパシーを感じないでもないものの、それ以外のお告げだの裁きだのっていうのには懐疑的という立場の方なのでこの方視点で読むのが妥当かな、という気もします。


とゆーか、お告げを受けたって抜かしてるヤツが俗物なんですよね、だいぶ。
土地の有力者が反対してましたらば、弓でさっくり射殺されてしまいまして、それが聖女の裁きではないのか、と言われ始めました。


えー、傷を治してくれるような聖女さまが、なんでまた自分のことを愛してるが故に反対したという長い付き合いの相手をさっくりと射殺すと思うのかと。
そもそも弓が刺さってるんですよ、死体に。
そしてまあ、ネタバレしてしまうわけですが、実は後ろから射殺して、それを抜いて前から射られたんだという具合に偽装したんだということをカドフェルさん(いい感じに油の抜けた元やんちゃ系おじいちゃん)が解明したわけで。
聖女さまが後ろから射るような卑怯なことするかー、と地元民大反発。そこなのか!?
土地の若い人間に絡んだごたごたもあったけど、わりといつもあるし略(えー)。