『アニマル・ナイトメア:動物恐怖症』#4 クモ

基本的に日本には害のあるクモが少ない上、ゴキブリを食べてくれるということで(あと、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』とかもいいイメージよね)、益虫とされているということもあってこの回最初はよくわからなかったんですが。
よく考えたらセアカゴケグモなんて“奥さんを後家さんにしてしまう蜘蛛”の意味だったりするんですよね、この回の彼女が噛まれたのはクサチタナグモという名前だったのですが、小さな噛み傷をそれでも大したことがないと思って放っていたらだんだんと化膿が広がり、最終的に緊急入院してしまう嵌めになった、ということだとそりゃ怖いよね。。。


要するに完全に経緯が記憶にあり、その恐怖が無理もないものであるこの女性に使われた治療はバーチャルリアリティの≪スパイダーワールド≫。眼鏡を掛けて3DCGの蜘蛛に近づいたり離れたりする、という仕組みで、形は若干適当に作られているものの、動きは案外リアルです、触ると飛びのいたり逆に向かってきたりするという、怖いなw
治療前にこの彼女のMRIを取って脳の働きを調べていたのですが、その恐怖を司っていたのは扁桃体、という脳の部分。ここがなんというか幼いというのかコントロールの効かない理性の乏しい部位らしく、そもそも恐怖は人間の防衛反応を促す機能であるべきだというのに一度暴走すると身体にパニックを起こしてしまってどうしようもない。
(幼い子のほうが純粋っていうか、いざって時の主導権が強いんだよね、結局w)
恐怖そのものが悪いわけではないんですよね、要は恐怖を覚えても対処が出来ればいい。
クモは世界中どこにでも、そして人間の生活スペースにも容易に近づく存在であるせいなのか、恐怖症の数はもっとも多いそうなんですが。女性は見事な回復を見せました。
曰く「恐怖は逃げると大きくなり、向かっていくと小さくなるんだ」のだそうです。