「夢の地下鉄冒険列車−地下鉄の父・早川徳次と昭和をはしった地下鉄」佐藤一美

えーと、早川徳次氏関係の本2冊めですー、ぶっちゃけて、こっちが児童書なんだけど遜色ないっていうか、戦時下のストライキはこっちにしか載ってなかったなぁ。
(地下鉄工事許可免許に関してはもう1冊にだけですね、児童書に載せる内容かというと、私でも面倒で読み終わるまで飲み込めなかったのが実情ですがw)
このストライキってのはなんでも満州事変の頃、出征中の社員の解雇を反対し、休職扱いにすることの要求だったそうなのですが、その後、どうも治安維持系の法律に触れたとかで関係者が逮捕、という顛末になったとか。。。
あー、要求はともかく、地下鉄車体そのものを盾にしたからかなぁ?
当時の労働ストの様相なんかも読まないとちょっと文脈はこれだけでは不明なのかも。


ロンドンで地下鉄を見てきた早川氏が、東京の地下にも地下鉄を、ということで自分で豆を使って交通量を調べ、存在しない地質調査の変わりに橋脚工事のデータで代用し、資金が集まらないので短い区間を先に先行し、その資金で路線を延ばす、というそんな試行錯誤は普通に見てて楽しいですね。
綺麗なトンネルに電化された電車、重厚な印象の車体。みかん色の車体。
デパート名を冠した駅名に、自動改札機、食堂、現在の百均の原型のようなお店。
おまけの付いた全線開業のイベント等々、なんともこう、手作りの印象で可愛らしいよなぁ、あんまり車内が綺麗なので靴脱いで乗る人が続出したとか、写真見ると確かに納得です、日本人の習慣が悪いんじゃないこれはw(当時地上の電車はあったしね)
そして、戦争の時代に突入して、女性の車掌さんが誕生して、戦後の丸ノ内線の開業の辺りまで、物足りないところはあったけど、結構しっかりした本だったよな。