「アルジェリア近現代史」シャルル=ロベール・アージュロン

アフリカ大陸の最北の国の一つ、ヨーロッパに程近いアルジェリア。
近代にフランスとの度重なる衝突と、現代に至ってのイスラーム原理主義者のテロルに晒されている安らがぬ土地ではあるんですが(本に載ってませんが今の人は頑張ってる)。
一言で言って「帰れ」としか言いようのないフランス人入植者がいます、いいから帰れ、時々原住民の方たちがフランス本国や、イギリスやアメリカに助けを求めているのですがよくわかります、なんでここまで酷い集団になってしまったのか、という点についての説明はむしろフランス人著者さんであるからこそ難しかったのかもしれませんが。
常に原住民の立場に立っていらしたのは自然だと思います、同国人だと耐えられん!
1830年にトルコ支配の地にフランス軍が偶然に介入、まではよろしいと思います、褒める必要はないけどどっちが悪いということでもない。そしてその時点で実際にその地を支配下に置くつもりがなくて無政府状態になったのもまあ物の弾みでしょう。


が、その後、勢力を盛り返し、そもそも自分たちの生活を連綿と守ってきたアラブ人勢力との戦争はまだしもなんですが、商業的政治的にほんのちょっとでも関わらせると実に負けます、商売しても政治でもなんでも全くフランス系入植民全く勝てません。
(それ自体もまあ、フランスの根無し草を無理に連れてきたんだから仕方ない、けど、イギリスや東欧やアジア系はそれでも突出したのが出てくるんだけど。。。)
そして彼らが叫びだしたのが「我らの自由を守れ!!」という主張、原住民をあらゆる文化的活動から締め出すことでした、どんなに低い地位でも与えると逆転しかねない、という強い認識があったとしか正直見えません。働くのが嫌いだったようです、わかった帰れ。
衆愚政治っていうのかなぁ、これ、マシな人はいるんだけどなぁ、たまに。