『世界わが心の旅』#2 ポルトガル 父と子のサウダーデ

ちゅーかまず、新田次郎が勝手に頭の中で「浅田次郎」に変換されてしまうのがかなり問題だと思うんですが(どっちに失礼以前に後者は故人じゃありません!)、新田さんも時代小説のほうのご縁で名前だけは、で、その息子さんが彼の絶筆となってしまった“日本に来たポルトガル人”モラエスさんをモデルにした小説の取材旅行、父親の痕跡を辿る旅をする、というのがそのコンセプト。
とはいえこの方、お父さんの死後2年目の段階でも同じ行程を辿っておられまして。
なんというのかそれからさらに15年の歳月を経て、少しは冷静になったかなー、と呟いておられました、なんというかね、この旅でもちょっとそうだったんですが、モラエスやポルトガルに視線が向いているというより、どうしてもお父さんがメインなのね。
もしかしたらこの最後の小説『孤愁 サウダーデ』にちょっと父親を取られたと思ってしまっているのかなぁ、という気もしました。いや、ご当人がそう言ってらして、今はそのことを自覚してはおられるのですが、もう少し時間が掛かるのかなぁ。
(とはいえ、そもそもの番組が1996年のものなんですが。)


ポルトガルは移民が多く、家族や友人との別れが自然に多く、そのためにその感情に独特の“サウダーデ”という名前を付けているのだそうですが、それが一体なんであるか、ということを明確に語れるようなものでもなく。
それこそお父さんはポルトガルの全土でその問いをし続けたのだとか。
ファド−Wikipedia
ファドという民俗歌を持ち、山間部では大地主の圧迫で生活も苦しく、11歳の少年が勉強が出来ても働かなくてはならず、さて、その悲しみは息子さんに届いたかな。