「「悶える者を救え」亭の復讐」警視リチャード・ジュリー4、マーサ・グライムズ

あ、今気付いたら「警部リチャード・ジュリー」だった表記が「警視」になっていたので今回から変更します、多分新しい版だと古い分もちゃんと直ってると思うのですが(図書館で借りているので古い版なんですよね)、まあ昇進が3巻なのでそっちに合わせてちょっと迷ったんですが一応この巻からにしておこうw


で、まあ、相変わらず真摯で親切なロンドン警視庁のジュリー警視と、若干軽いところがあるものの、概ね許されている元貴族のメルローズの4作めで、今回メルローズ氏がどう関るかというと、単に普通にジュリーさんに呼び出されてますね。
正直、その時点では勘でしかなかった少女の危険の可能性のために警察を動かすわけにはいかなかった、というのはわからないでもないものの、メルローズもメルローズでただの一般人なので果たしてそれでいいんかいなと思わないでもないというか。
だいたいこの二人、顔合わせてないとお互いここにいれば、みたいなこと考えてるくせにいざ顔合わせるとわりと他人行儀っていうか、礼儀正しいですよね。
ともあれ、この本では二人揃って脇役というか、ほとんど全ての部分はアイルランド系アメリカ人の母親を持つ、イギリスの片田舎にはほとんど騒音に等しいような存在であるマキャルヴィ警部が持っていったような気もしないでもないというか。
けど、ぶっちゃけ、この強烈な印象を持つハードボイルド警官がいなければ、20年も昔の事件はああも鮮明には蘇らなかったろうなぁ、とも思うので、まあそれはそれで良いのではないでしょうか、なぜか病弱刑事のウィルキンズさんと馬が合ってるw
この本は本当に20年も昔、5歳の少女の口を通して語られた母親の死の光景だけで出来上がっていて、あとのことは全て当時の残骸なのかなぁ、と個人的にはね。