『美の巨人たち』ジョルジュ・ルオー/傷ついた道化師(フランス)

ジョルジュ・ルオー−Wikipedia
(1871.05/21−1958.02/13)


太く荒々しいラインに、「宝石のような」と称された原色に近い色合い、ステンドグラス職人だった名残りだと言われてますが、イコンにも似てるよねー、アレ(キリスト教の宗教画の一形式で、視覚的な快楽を与えないとかでなんか不思議なんだよね)。
キリストさんなんかも書いたそうですが、娼婦や労働者などの社会底辺にあった者らを好んで描き。番組で取り上げられた道化師もかなり多くの枚数を描いたようですね。


ギュスター・モローにアンリ・マティスなどと同時期に師事し。
その関係なのかマティスさんが代表する“野獣派”(フォーヴィズム)という派に分類されることもあったようですが、彼自身がそこに属していたってことではない模様。
野獣派ってのは心のまま、感じたことを見た目よりも優先するという画風だったそーで、派としての活動時期が短かったのもわからんでもないですよ。「心のまま」に振舞うと意識するってなんじゃそりゃ。そもそもが他称だったというのも納得だよなー。


若い頃は一瞬で仕上げるために油彩を嫌い、水彩で描いていたよーですが、後年の油絵になるとなんか絵柄もトゲトゲ抜けて柔らかくなってるよね。なんか可愛いっつーか。
画廊との揉め事とか師匠の美術館の館長(給料安い)とか、絵を仕上げるまで何度も何度も手をいれるとか、画商のもとにある絵を“未完成品”として頑張って取り戻そうとするわ。
なんだか、なんとも不器用な印象ですな。