「アラブ・ムスリムの日常生活−ヨルダン村落滞在期」清水芳見

どちらかといえばまあ、ヨルダン“の”本が読みたかったというのは置いといて。
中東で唯一平穏を保っていると前々から聞いていたので位置関係を正確に把握しようと地図を開いて閉じました、り、立地が良いということではないんですね、なんというど真ん中、びっくりした...orz まあイスラエルが紛争振りまいてるわけではないんですけどさ。
で、とある日本の人類学者は調査の地を選ぶに当たって、いろいろ言われたようです、当人もかなり警戒しておっかなびっくりだったようですが。すごく平和な土地でした。
ええと、ただこう、歴史を読んでもなぜ平和かがわからない;
1992年発行の本ではありますが、その時点で村落生活者60%、風土を調べるために著者さんが、割合と保守的な地域に行かれたこともありますが、イスラムはどちらかというと生活の全てだという側面がよく出ているのではないかと思います。
家庭を幾つか血縁で括った生活単位のアシーラへの帰属意識が強く、村落の住人という意識は薄い、そういや墓参りもあるものの習慣化されておらず、女性は完全に男から隔離されてはいるものの立場は強く、一夫多妻は認められているものの多数派ではないとか。


特別な地位にある聖職者は建て前上存在せず、教師的な人やスーフィズムと呼ばれる神秘主義者や(ちょっと異端だという認識はあるけど無下に扱われたりはしません、イスラムは基本的に他者寛容)(とはいえ、結婚相手はイスラムに限る、という考えは強いみたいで改宗をするように、と言われるそうですが、そこも変わってきてるみたい)、必要悪として存在する呪いなどを行なう呪術師、呪符で病気を治す人もいましたっけ、最後の二つは近代の初期くらいまで日本にもいましたね、イスラム特有でもないのかも。
どこまで土地の習慣で、どこまでイスラムの習慣なのか私ではわかりませんw