「イラク」田中宇

確かアメリカのイラク攻撃(一身上の理由によりこの呼称、まあ、特殊思想というほどではないかと)の直後辺りに本屋でたまに見かけた関係上、この事態の直後に出された本なのかな、と思っていたのですがほとんどその直前。
出版された時点でことがどうなっているのかまだわからず、しかし、土地の名前に絡む細かいことまで私がわからないながら、かなり正確に進行を予測しておられます。なんというのか、ちょっとくらいは外れてくれれば良かったのに、と思うくらい。
確かに独裁者であり、自身の反政治勢力に対する態度には感心しない部分があり。
国内に多くの問題を抱え、幾度かの戦争を引き起こしながら、しかしそれ以前に一切の長期政権があったことのない国内をアメリカ主導の経済制裁を受けつつも強かに支え、国外へは些か幼稚にしか見えないプロパガンタを繰り返しており。
(その辺は下手だから意味ねーよなー、失笑されるだけだよなぁ、とずけずけ書いておられます、というかたびたびイラク国内から著者さんは怒られているw)


なんでこの国に全国的な戦火が必要だったのか、ということを考えてみて(独裁者の行き過ぎを咎めるという形なら理由はあるとするべきなんでしょうが、アメリカって普段“この程度”だと全然見逃すよねぇ? まあ、別の大統領だと言えばそれまでですが)。
正直、考えるのは止めておきました、国内の中層w ビルディング街、秋葉原のようなジャンク電子街、人種が混じり合うマーケット、貧しいながら元気のいい村落、アメリカの置き土産である劣化ウラン弾に苦しむ子どもたちまで薬が制限されている、と憤る医師。
この本はアメリカ国内は中道派とネオコンと呼ばれる派がせめぎ合いを続け、中道派のパウエルさんが少し妙な(パウエルさん...orzがんばれ)言動をしたというところまで。