「ソ連共産党書記長」木村明生

んーと、1987年発行でゴルバチョフ時代、ソ連崩壊前、というのは見ればわかるんですが、ひょっとしたら直前かしら? と思ってないで確認すればいいようなものです。
ソ連邦の“共産党書記長”というのは大統領相当の最高会議幹部幹部長(長い!)(兼任してることのほうが多いです)、よりも優越するという。ええと要するに、勘違いしてたらすみませんが、事実上の一党独裁のせいでしょうか。
これだけ見ると日本の自民党に似てるような気もしないでもないですが(実際独裁ではないんですが、そろそろずいぶん長くなりました、という結果論)、なんといっても任期が長い、戦前のレーニン/スターリン/フルチショフ/プレジネフ、で短命の方を経てゴルバチョフさんの模様です、んで、ゴルバチョフさんで大転換したような気がしてましたが別にそんなことでもないみたい。でも例えば飢餓の場合の切り捨て方なんかは確かに酷い。
これに関しては欧米が非難するのが無理ない気もするんですが。
スターリン氏がさすがにどうかとは思いますが、冷戦は正直どっちが悪いってもんでもないしねぇ、ゴルバチョフさんが対外に軟化したことで「民主化に当たってのアドバイス」がたくさん寄せられたそうなのですが、改革はするけど別に民主主義を目指してるわけではないよ? というお返事はむしろ今読むのが一番相応しいんじゃないでしょうか。


基本的には書記長の人間的側面や、日々の生活などを含めた書記長の本で。
なんか、国民性が受身なんだよねー、と著者さんが言っておられたのですが、なんか書記長さんもあんまりその例に外れてないみたいですね。あまり扱われてなかったスターリン氏だけが傍目から見ても違うんだけど何者なのかしらあの方。
なにかを暴く、というわけでもなく、淡々と語られている今見ても好著ですかと。