「バトル・オブ・ブリテン」リチャード・ハウ&デニス・リチャーズ

“イギリスを守った空の決戦”というのは第二次世界大戦時のドイツとの本土決戦のことを指して呼ぶそうなのですが(BOBなんて略語まで存在するよーですよ)、えーまあ、要するにナチスなドイツ軍は、ソ連に行く前にフランスを平らげたあと、さっくり短期間でイギリス平定の予定だったのがどうも上手くいかず。
「ソ連のあとでもいいだろ」と棚上げしていきましたらばそのまんま全てにおいて負け戦になりましたよ、とそんな感じの歴史の転機です。ここでイギリスが踏ん張らなかったらドイツが勝ってたかもしれない、というのはなにもイギリスさんの自惚れというだけでもなく、案外そんなものなのかもねぇ、と傍から聞いてて思わないでもない。


イギリスの地理的優位は英仏海峡、地理的失敗はフランスが制圧されてフランスから飛んでくることを予測していなかったところ。そして勝因の一つにフランスが負け戦をやっている中、ずるずるべったり空軍の兵力を取られなかったところ、とも言い。
そもそも空軍ってそれ以前は陸海軍の所属でしかなかったようなのですよ。
そして増強! と主張するダウディングさんはかなり冷遇されたようですが、がうがうがう、ととにかくドイツの対本土決戦にだけ焦点を絞って他に兵力を廻すことを拒否し続けた彼は、歴史の中ではかなり高評価のようです(そして終始一貫意見がずっと同じ)。
むしろ、そこ以外で勝てるポイントない、とわかっていたのかなぁ。。。
基本的にドイツ空軍vsイギリス空軍、空を制圧しないと陸軍の上陸が上手くいかない、という方針の中で(正しいかと)ひたすらイギリス空軍(と地上の人や陸海軍は彼らの支援)頑張りましたよ、というそんな本。
ドイツがちょっとイギリス舐めすぎたのと、海苦手なこともあるのかなぁと。