「ルビコン以前(中」ローマ人の物語9、塩野七生

んー、まあ塩野さんのご本は概ね面白くはあるんですが、クラッススはろくでもないかもしれないけれど私は馬鹿ではないのではないかと思いますし。
(そもそも人望がなかったらお金で票を買えば済むし、元老院議員たちが盛んにやっていたように地方長官になって不正で蓄財すればいい、でもそうしていたら、カエサルさんが頼ったとは思えないんですよね)(クラッススって少なくとも金儲けする時「自分の手を汚す」じゃない、綺麗に口拭ってるわけでもないし、でも残酷なことまではしてない。)


んで、生粋の文人の上、病弱を押して前線で思いもかけない活躍をした弟キケロ(他に呼び方なかったんでしょうかw)の場合、カエサルのほうが巧みでキケロを信用させたというより、多少のすれ違いがあっても相手を信用したキケロの側の美徳じゃないのかなぁ。
「ありがとう!」となんの臆面もない手紙を見て、塩野さんが若干悶えていたのと同じように、カエサルも悶えていたんじゃないのかなぁ。
というか私、彼は生涯キケロには味方になって欲しかったと思うんですよね。
だってこの人、どう考えても表面だけ味方の振りするって出来なさそうじゃないですか、利害で動く人らと違って頑固ではあるけれど、頷いてくれたら絶対って知性よりも知名度よりもある意味得がたいじゃないですか。
カエサルは孤独でそれだからこそ格好良いと思わせるのかもしれないんですが。
でも、それはあくまでそうしなきゃならなかったのであって、そう望んでいたわけではない、私がむしろそういう人間味がある人物を好むから勝手にそう考えてしまうのかもしれないんですが、けれど、キケロは好きだったと思います、きちんと。
ところであと、ブリタニア遠征はなんの目的があったんでしょうか、、、時間稼ぎ?