「小田急よもやま話(上」加藤一雄

正直私、どこで「いっそ小田急で逃げましょか♪」というフレーズを聞いたのだったかちょっと曖昧なんですが(今の子は知ってるのか知らないのか、昭和4年の歌謡曲なので明らかに私どころか祖父母すら子どもなんですよね)、この曲の出たのが昭和2年に【小田原急行鉄道株式会社】という正式名で今の小田急が誕生しての2年後で。
お堅いイメージの鉄道が、こういう男女の道行きを思わせる曲に、しかも略称で出てしまうというのは如何なものかという物議を醸したそうなんですが。
その数年後に正式名が小田急になったんだよん(これはこの本で読んだのではないのですが、最初は関係者を怒ったものの、改名の時点でお礼したそうです)、という顛末まで含めるとちょっとこう、なにか可愛い、、、改名はしなくても別にいいんじゃないかなww


1993年発行で鉄道関係の本はこの上下巻のみの著者さんで、とはいえ、沿線住人の上、地域関係の資料自体には触れることもあるよ、という立場の方なので、ある意味で興味そそるような体裁にはなっていないのですが、鉄道関係の方に特有のわかりにくさのようなものはないかな、譲渡車両に関してはちょっと怪しいけど、それぞれ1ページだしね。
小田急は新宿から小田原までを一気に、約1年半の期間に作り上げてしまった当時の技術の最先端のような存在で、その結果なのかなんなのか、路線敷いたあとに駅関係のトラブルがぽちぽちあったり、そもそも開業の前に大歓迎にあったり反対があったり、となんだか非常に話が急ピッチ。
戦後に京王に駅を一緒に、と言い出して断られたり、南武線を飛び越えたり、江ノ電を引き受けたり、神中鉄道(今の相模鉄道)と駅を作ってたり、といろいろ多彩。
大東急時代に関しては下巻にあるかなぁ、前から一緒に土地売ってたりしたんだね。