「ルビコン以後(上」ローマ人の物語11、塩野七生

前巻のラストでカエサルさんがのっそり本土防衛ラインの「ルビコン川」を越え。
その時点で元老院派が蜘蛛の子を散らすように逃げてしまったもので、首都ローマに堂々と入り、それ以前に元老院権限で出されていた自身の国家反逆罪を撤回(元老院ってとことん“機能”だなぁw)、まあ、そこまではエラいこと神経のぶっとい人だなー、というだけのことなんですが、その後、その越えたばっかりのルビコン川よりも事実上ずっと膨張していた現実に即した防衛ラインの再設置。
ともなると、さすがに後世の歴史家たちがべた褒めするのもわかるかなー。


かつての≪三頭体制≫のクラッススも少し前に息子とともに欠けてしまい。
ポンペイウスも元老院派に与してしまったため、今のスペインから地中海、エジプトの地までがカエサルさんに敵対となり、対するは今まで足場固めしていたガリアの地、まあ、ブリタニアに拘っていたのはあわよくばゲルマンまで味方にしたかったってことかなぁ。
(ブリタリアそのものの取り込みは無理でも、要するにガリアが味方になったのはゲルマンの存在があったからだよね。)
この巻では延々とその「内戦」をしているのですが、ローマ総決戦ですね。
いや、あとのほうの巻で周辺民族が全く介入して来なかったのは何故か、と書かれてあったのですが、こんなの下手に突いて全勢力が一気に来たらと思うと素で怖いよな。
とはいえ、面白かったかというと特に面白くはなかったです。
挑むほうも受けるほうも同じ戦法ですし、消耗戦にもなりますわな。
「幸運な上陸成功作戦」はちょっと面白かったですがw 流されても負けないww
あ、エジプトの王女(この時点では)、クレオパトラも登場してましたっけね。