「とびきり愉快なイギリス史」ジョン・ファーマン

正直言って“教養がない”イギリス人ってのは各国の特徴を全て皮肉で諳んじていて(的確すぎて否定しにくいものはあるそうです)、歴史人物が時にじゃっきん、と首を切られたという話に対する耐性はばっちり、というところから始まりますもので。
まあ、日本人にわかりやすいかわかりにくいか、というのは別問題ですよね。
とはいえ、イギリス人気質のようなものさえ理解していれば、ある程度問題ない気もしますが、さすがにエリザベス1世の頃のメアリちゃんたちの混同はどうかと思います(翻訳者さんにまで突っ込まれてましたが、版重ねて訂正入れてるんならそこも直そうよ?!)(世代がすっ飛ぶほど酷いのは誤解を助長しないという判断でしょうか)。


とりあえずこの本を読んでいて思うのは、イギリスではよく首がじゃきじゃき斬られているな、という歴史に他ならず、リズちゃん(エリザベス1世、可愛くなかったそうです、大きなお世話だ)がとても賢かった、ということしかわからない。
どこそこの組織が悪さをし、王様の不適切なお友達が幅を利かし。
止めておけばいいのに時々ドイツから王室の人間が輸入され、フランス人は真実カエルなんだそうですけど、カエルはどうも馴染み深すぎて憎んでいるとかそういう問題ではないっつーか、むしろカエルとの戦いが途切れた時ほど酷いことになるっつーか。
(ちなみにフランス人はイギリス人を「ビフテキ」呼ばわりするそうですよ。)
ていうかこれ、気のせいじゃなくて“イギリス=英国”じゃなくてイングランドの本だよな、イングランド人そもそもどっから来たのかもわかんなーい、征服されれば微妙に馴染み、王家は余所からの借り物、王はまあだいたいの場合役立たず。
しかしどういうわけかこの国が繁栄した理由はわかる気もします、いい性格すぎる。