「毎日乗っている地下鉄の謎」梅原淳

とりあえずまあ、細かい総合評価みたいなものは置いておいて、今までいまいち謎だった札幌の地下鉄の“ゴムタイヤ”の謎が解けまして、あー、要するに普通の車輪よりも勾配やカーブに強いので建設費を安く済ませられるってことなのか(カーブが急でも良いとつまりは短い距離で繋げるってことね)。
ただどうもこれ、ランニングコストが馬鹿にならないらしいですね。
都営大江戸線のリニア式も確か同じ理由で選ばれていたと思うのですが、こちらは同距離の別の路線と比べると些か電気量が嵩むものの、そもそも勾配やカーブが他よりもキツいのならばそれも当然というか、特に遜色はないっぽいですね。
それとあと、東京の地下鉄免許とその番号付けが「どうもわからん」とか。
(山手線外回りの駅の順番とは知らなかった、でもその前提で見るとおかしな部分が多すぎるよなぁ、有楽町が繰り上がったんだよ、というほうがまだ納得が行くよ。)
そもそもの地下鉄とはなんぞや、という定義、全国に散らばるその事業者の紹介、各都市の地下鉄の経営状態、各種地下鉄建設の工法による一長一短の説明、地下鉄に湧いてくる地下水の排水方法の推移だの、まあ、面白いっちゃあ面白くはあったんですが、これ、本当に普段地下鉄乗ってますー、という人が読んで面白いのかなぁ?
下手すると鉄道マニアの一部も振り落とされそうな勢いなのはどうなんだろう。
どうせなら実際の工事の苦労話とかにすれば良かったような気はしないでもない。


謎の地下鉄というか、実際戦前に通ってた路線が放棄されたり埋め戻された例があります、だとか、地下駅がシェルターになるかと言われたら一般地下室でもなるんだからなるに決まってるとか、要するに真面目な人なんだろうなぁ。