「ラングドックの歴史」エマニュエル=ル・ロワ・ラデュリ

ラングドックというのは要するに、南フランスの地中海に面した一地域を指す言葉で、さていつ頃からこの地に言及できるかな、ということを考えると氷河期?(前過ぎるよ;) という答えが返ってくる辺り、どうもどちらかというと実際の地形によってなんとなく周囲と隔絶されているのであってその逆ではない模様で。
いやまあ、もちろん山にしろなんにしろ越えるのに不自由はないんですが。
しかしその流れが持続するか、というと微妙に怪しく、どうも結果的に少し古い時代の風潮が残る、ということを繰り返し続けてきたようで、明らかにそれがプラスに働いたフランス成立以降はともかく(ローマ属州ガリア時代の都市は、むしろ南フランスの地に集中していたらしく、北フランスの地と比べると格段に文化程度が高かったのだとか)、中世期の中ごろにはカタリ派と呼ばれるキリスト教異端説が現れ、これを討伐するのに“十字軍”が結成された、という有り様です、どんなんだ...orz
(十字軍発祥の地はフランスですよ、国内だろう曲がりなりにも!)


で、この時点で独立の気風を持っていた各地領主は平定されたものの。
その後、中央の管理下にあるというわりには目が行き届かず、ということになるともう、ふざけんな、と思われてもしょうがない気がしないでもないのですが、ある意味で、このアルビジョワ十字軍(アルビというのが地名)を除けば、戦乱に明け暮れたヨーロッパの中で、平和な陸の孤島のような生活をしていた、ということになるのでしょうか。
基本的にほとんど外からの戦乱に巻き込まれた様子がないですし、フランスの一部として若干の遅い早いの違いはあっても、緩やかにその影響を受けてきたようですね。
まあでも、もうちょっと中央(北フランス)に怒っていい、頑張ってー。