『建築の世紀』帝国の光芒 東京国立博物館(本館、表慶館)

とりあえず、“帝冠式”という言葉にどうにも馴染みがなく、西洋風建築の屋根に瓦屋根を乗せる、という確かに調和が難しそうなシロモノで、そこに篭めた意味がまた「日本が西洋に冠する存在になる」という、言っちゃなんですがせせこましい、セコい。
とはいえ、実際の建築段階になるとそんな意図はなかった、という説明がされていたりもするようなんですけどね、和洋折衷ってかアレンジもともと好きだよね、日本。うん。
けどさすがに、無理な建築が多い、と研究者の方は言っているわけですが。
この東京国立博物館公式Web)、本館に限ってはそんなこともなく。
実際遠目から見ても結構格好いいとは思うんですが、高すぎて瓦屋根だかなんだかよくわからないところが勝因なような気もしないでもなく。
そして意識したのが“ジャワ島の民家”という。
内部はステンドグラスに石造り、あー、いいとこ取りか、その意気や良し。


で、上記が昭和18年(1938年)の建築で、もう一つ、明治から残っているというのが“表慶館”、慶びを表す館、という意味らしく。当時はどうも博物館というのは皇族に捧げる、という名目になっていたためにその名前。
(別にそっちは引っ掛からない、近代以降の天皇さんってなんか国民に必要なものを欲しがってくれそうな気がするんだもの、信用の問題だよね、こういうのって。)
イタリア・ルネサンスのバロック様式を模していて、丹精な造りではあると思います、耐久度なんか本気で褒めるしかないし、壁なんか特に素晴らしい(材質が)。
ただ、なんでそう感じるのか疑問なんですが、一通り揃ってるけど、なんか小振り。。。
まあ、彫像に見せ掛けた騙し絵といい、管理のことを考えたのかなぁ。