「パクス・ロマーナ(中」ローマ人の物語15、塩野七生

細かい失敗はあるし、欠点もあるもののそのフォロー能力に長けた(ある意味、戦争が苦手だった分、特に強い態度に出られなかったことを考えるとその部分に関しては先代を超えているかもしれませんね)カエサルの後継者の2冊め。
戦争に弱い分、ちゃんと撤退してるし、国内に関してはよく目が届く性質だし。
強いて言えばあれですね、帝政を目指しているということくらいしか瑕疵はなかったのではないかとも思うんですが。
なんでしょうね、、、この私生活面からひとひとと伝わってくる我が侭全開感は。
ところでこう、身体は弱くはないものの、野性味の強い頭でっかち(なのではないかと思われます)仲間である身から一言言わせて貰いますと、友人の別荘に居つくことが多かったのは居心地が良かったからだと思います。後がこじれそうな女に手を出すくらいならきちんと話を付ければいいだけじゃないかなー、と思うんですよ(前例あったしね)。
ぶっちゃけまして、恨まれたらあとが面倒じゃんな。


で、この方は正直、家族にも友人にも周囲の人材にも連れ子にまで恵まれていたのですが、塩野さんいわく「どういうわけか」自分の血統を残すことに執着し、かなり周囲を振り回していたのだとか。
その迷惑の度合いは置いておいて、まず帝政敷こうってのなら当然な気はするというか、血統を確定しないとそもそもなんも始まらないですしね。でも、結果としてこれってこの数代あとに歴史に否定されてもいることにもなるのか。
なんか一代皇帝(とはまだ自称してないわけですが)・アウグストゥスの個人的な感想ばっかりなレビューになってしまってますが、公務は真面目に問題ないよね、うん。