「フランスものしり紀行」紅山雪夫

正直言えばタイトルと、あと、ヨーロッパ篇やイタリア篇などを出している関係上、一冊の範囲は薄いのかな?(逆に言えば、まあ、それでも許せるというか) と思わないでもなかったんですが、失礼致しました、もちろんあくまで地域順である関係上、完全に歴史をなぞってるとは言いがたいんですがパリからノルマンディー、フランス南部というのはちょっと考えただけでもかなり妥当である上。
さすが、ヨーロッパ篇やら出してるだけあって知識が広範囲。
(フランスって逆に、フランス一国で納まってる事情ってあんまりないんですよね。)
まあ、他の本で詳しいのだろう、絶対王政どうの、王宮どうの、という話に関しては些か比重が少なかったような気もするのですが、余所で読めるから問題ありませんな。
ていうか、この体裁の本でパリがシテ島の元パリシィ族の都から始まった、という文面を見ることになるとは若干予想してませんでした(パリの本でも1/2くらいの確率でしか書いてないんですよ、今のところ)。
パリはシテ島からゲルマン系フランク族の手によって始まり、外部に拡大を拡げ。
侵入者であるノルマン族がノルマンディーにかつて封じ込められ(海峡を越えイングランドとイタリアに向かい、国を一つ丸々作り上げ)。


フランス南部の地にはかつて異端と呼ばれたカタリ派の地があり、その後、アヴィニョンにローマ教皇庁が浚われてきましたよん、とか、ローヌ川周辺に今も当時の様相を残す(若干張り切りすぎて微妙な復元状態とかw)美しい城砦があり、そこは幾人もの王の愛人含めた女主人を迎えたんだよん、というドラマが。
ローマの征服地だったということも含め、いい入門書になりそうだなぁ、これ。