「海賊キャプテン・ドレーク−イギリスを救った海の英雄」杉浦昭典

例えばまあ、とある海軍将校の裏の顔が海賊だった、などと聞いてしまえば、なんとも言えない嫌な気分になるものではないかと思うのですが(海賊自体に反権力めいたロマンはあるけど、権力と結びついた違法行為は全然別の話だよね)。
当時すでに“世界一有名な海賊”だった(そして現在も不動)キャプテン・ドレークに。
本国イングランドの命運を掛けた対スペインのアルマダ海戦にて、提督の地位を、ということになるとなんかまた印象が全く違うのはなんでしょうね、というか、女王様(当時はエリザベス1世です)、「まだ分け前貰ってない」じゃないです、びっくりです、本当の話なのかそれは、と思わないでもないんですが、そもそもこのドレーク氏、どうもスペイン船からしか略奪は行わなかったらしく。
その上、女王が彼に航海の許可を与えていたため抗議が行われ。
そのスペインからの抗議の目の前で自身のプロポーズの伝達に来ていたフランス公使を巻き込み、海賊に騎士の叙任を行ったそうです。そんじょそこらの都市伝説より酷いよ?!


で、海賊ばかりでもなく、普段は商売も行っていた、とのことなのですが、あれですね、当時スペイン統治下の南米の地で(未許可)、主にアフリカから連れてきた奴隷を売りさばいていた、ということだと素直に海賊だったとまとめたほうがマシかもしれません。
現地で逃げ出した黒人奴隷シマロンの集団と意気投合して植民地を襲ったり、時にフランスの商船と手を組んで山分け、とか、駄目だこれ、一生涯を映画にしようもんなら嘘臭くて見てられないと思いますよ、なんだこれ。
正直、この人物を重用したイギリス本国も、、、海賊国家でいいよ(否定してるの見たことないよ)、そしてドレーク氏はその後結婚し、畳の上で亡くなったらしいんですがね。