「ウィーン愛憎−ヨーロッパ精神との格闘」中島義道

30過ぎの私費留学という、その地の最下層から見たウィーンの本。
まあ概ね、薄っすら知っていたもののアジア系の地位の低さと扱いを再確認しないでもなかったんですが(日本人気質はちょい割愛、あとで触れます)、しかしぶっちゃけ、イギリスやらドイツだとこんな酷くなかった気がするので、、、国力に比例するのかなぁ。
オーストリアはWW1で「世界一の小ささ」になったそうで、まー、そんなものか。
日本人批判もつらつらあるものの、いやまあ、ごもっとも(でも、人種や習慣の違いは仕方ないじゃんかー)、というレベルに収まっていたような気もします、本を書かれた方の地位の違いもあるのかもだけど。


で、どうも読んでいるうちに私が幼少期の頃、母が国際関係の前線から退いててその周辺にいたよ、という時代と本の時代が被ってるらしいことに気付いたんですが、日本人に対してその頃あった“東南アジア買春ツアー”とか“バナナ(黄色い皮を被った白人種精神)”呼ばわりしか「これは不味い」としての反省材料にせず。
欧米からの非難を完全に存在していないかのように国内に持ち込まなかった母上の所属機関の根性の図太さをいっそ褒め称えてみようかと思います。
で、そっち、もしくは流されたほうが「よほど楽だ」と気付きつつも、延々延々と戦ってらしたのだというある意味で孤立無援の方で。雇用その他、試験関係で恵まれていたから、という気も(ある程度ウィーンの本質を見抜いていたからのような気もw)しないでもないんですが、けれどやはり、周囲の態度のほうがどこまでも気になる内容でした。
正直、流されることを選択した彼の地の方々の気持ちもわかるんですが。
とはいえ、こう、お疲れさまでした、日本で休んで下さい...orzへこり