『美の巨人たち』sp.ヨーロッパ絵画黄金時代

そもそもボッティチェリってルネサンスどうこう以前に「誰にでもわかる」という作品なのではないかと思うんですが、フェルメールレンブラント(オランダの絵画って堅実というか小市民的だよね、レンブラントの“放蕩”って美人の奥さんもらって生涯愛したことなんじゃねぇか;)も精緻っていうかわかりやすく。
どっか奔放、というか大変な人生を送った印象派の中でもモネはなんか違うし。
印象派を、それ以前に影響を与えたイギリスのウィリアム・ターナー、外光派や自然傾向の画家(ミレーの≪落穂拾い≫とか)と並べて考えるとやっぱり堅実というか。
ウジェーヌ・ブーダン−Wikipedia


他の文化圏の人間にとっても「わかりやすい」内容だったんじゃないのかなと。
彫刻だとミケランジェロとかそんな感じですが。
この回で取り上げられていた美術史は、芸術家や目の“高い”好事家ではなく民衆のものだったんじゃないのかなぁ、と。民衆に迎合した、というよりは自然な振る舞いが素朴でわかりやすい方向というか。人生の苦しみや痛みもどっか身近でわかりやすく。
それが芸術の全てだとは言いませんし、まあ、異端が作り上げた歴史も多々あるわけですが、小さく愛らしく、素朴で身近であるが故に愛された、難易度の“低い”歴史に焦点が当てられることがあってもまあいいじゃないですか(レベルは低くない)。
もしかしたら、人間の内面というよりも、外に、見たままや見ることの叶う美しさを追い求めた人たちだったんじゃないのかと思うんですが、いえなんとなく。
けど、それをどう紙の上に表現するか、というのはけして安易ではなく。
出来上がった作品がわかりやすいのはそう志されたからかと思うのですが。