「西武鉄道・近畿日本鉄道−輸送力増強と経営多角化のジレンマ」日本のビッグ・ビジネス19、近藤禎夫/安藤陽

西武関係のグループがなんか不透明な資産を所有している、というのはまあ有名だろうと思うのですが、どっちかというと経営状態の効率化に関しては後半の近鉄と比べてしまうとインパクトが薄れてしまうというか、バス&鉄道を含めて大きめの事故が多発してる状態なのはさすがにマズいだろう。。。
西武鉄道って日常のトラブルならともかく、大きな事故の主役になったこともないんじゃないのかな? 耐久性に関しても特に周辺との格差ないしね。
どっちかというとこの本を読んだ限りでは西武系従業員の有能さにびっくり。
あまり行き過ぎたら近鉄のようになるよ、ということなのかもしれませんが、なんとなくそこまで合理的なような気もしないんですよね、悪い意味でも身内企業っぽいんですが、いい意味でも身内企業というか、西武グループはともかく(実際のところこっちのほうが従業員の扱いが悪かった)、西武鉄道って結局のところそこまで大きくないよね。
近鉄はこう、あれ国鉄みたいなものじゃないですか、悪い意味だけでもなくて。
効率化を始めてしまうとなかなか歯止めがなさそうという気はします。


ただこれ、要するに上の内容にほとんど全てが収束されてしまって終わりというか、ぶっちゃけて鉄道業界を切るのにこの2社で正しいのかなぁ? という点はどうなんだろ。
もう1冊同シリーズでJRを扱ったものがあるみたいですが、この2社を選んだところで他もばらんばらんというか、近鉄パートの後ろのほうに労使交渉の話が出てきてましたけど、どっちも特に特徴的な動き方するところではないよーな。
まあ、近鉄は合理化行き過ぎ(事故&過労死頻発)、西武はグループ内利子支払いがキツい構造欠陥、という指摘に関しては納得。ただこの切り方はマクロではないよなぁ。