『爆問学問』#26 長谷部恭男(憲法学)

“みんなの憲法入門”、とはいえ憲法学ってどこにも目指すところがないんですよねぇ、せめてなるべく広い考え方、いくつもの正義があるってことを広めようとするくらいで、と言われる教授は正直個人的にとても好ましいっちゅうか同類項の行動倫理だと思うんですが(こんな僻地ですが固有倫理はあるのよ)、ぶっちゃけてなにを言ってるか多少なりと同類項の人じゃないとわかんないんじゃないかしら、とか思いました。まる。
昔の先生の説明ですが、「政治ってのはなにも国レベルのことでもなんでもなく、例えばここに林檎があって、それが何個でも、複数の人間で別けようとすることが政治だ」とのことなんですが、まあ、10個の林檎を9個と1個で二人で別けても、10個を一人が持ち去ってもそれが“正しい”という状況はいくらでも想定出来るわけで。
全ての人を納得させることはまず出来ないんだけれども、憲法ってのは、まあ、法律もだけれど解釈の多様性ってものがあり、なんとか誤魔化したり抜け道を通り抜けたり、なんとかして誰かに我慢して貰ったりするわけだ、と言われるわけでして。
それがまあ、目指すべき場所がないということで「一体なにをするんですか? 役に立つの」と確か田中さんだったかな? に聞かれた答えが。それはいくらでもやることがあります、調整しなきゃならないことはいくらでもあると、まあ、人類の仲で相互の主張がなくなるまで続くでしょうねぇ、と答えるわけですよ。


今回は太田さんは至極大人しく、ある意味で彼の明快というかちょっと単純でシニカルな(両方を持ち合わせないと足りないと思います)、側面のある意味で真逆の、到達地点も明確な正義も、悪を正さなくてはならない! という理屈もない、その地道なお仕事に敬意があったんでしょうか、まあ、人の世は俗なんですから仕方ありません。