「神様の墜落−“そごうと興銀”の失われた10年」江波戸哲夫

というかそもそも、興銀が一般企業に融資していたということからして始めて知ったようなお粗末さなのですが(長銀が破綻したのは別口で聞いてたんですが、アジア通貨危機に巻き添え食らってましたね)、そーいやよく考えたらメガバンクに盛り込まれていたんだから再建してたってことになるわけだよなぁ、そごう関係だったのか、なにしてんの。。。
基本的にこの本の中では確かに特異な性質を持った「元興銀マン」の経営者の方のことをあげつらうという方向ではなく、冷静にそれぞれの時期を語る、という体裁だったのですが、逆にこのテーマにはそのほうが良かったんじゃないかなぁ、責任の所在が少しずつぼやけていくという状況が逆にわかりやすくなっていたように思います。
正直言って、これ、一人の責任にするのはなんか違うと思うんだよね。
(似たような拡大路線の行き過ぎってのはそごうに限らず、この時代どこでもあったわけですしね、その中でもかなり極端だったというのはともかくとして。)
んで、なんというか拡大そのものにしか興味がなかったため、結果的に非常に中ががらんどうの状態に、でもそこに群がって甘い汁吸ってたのは一人や二人じゃないというか、側近は逆に運命を共にしただけマシだったんじゃないのかなぁ。
興銀とそごう融資の片割れを担っていた長銀の倒産から全体的な綻びが見えてきて、その後の転落はあっという間ではあったのですが、そこからに関してもあくまでも主役はその経営者であって「そごう救済のために送り込まれた救世主」側からの視点じゃなかったんですよね、みっともない内容かもしれないけど本の体裁としては統一感あって良かったな。


てか、その和田氏の税金投入の再建案が世間に受け入れられたのは元経営者が暴れてたせいだと思いますw 下手反対して戻ってきたら怖いじゃんww