『美の巨人たち』横山大観「夜桜」(日本)

横山大観−Wikipedia
(1868.11/02−1958.02/26)


有名な画家さんで名前は存じ上げておったものの、ぶっちゃけて“有名”ということくらいしか知らないんじゃないかと思った上、前に円空仏に抱きついてた人? と思ってしまいました、棟方志功だよそりゃ...orz(この番組であったんですよ、そういう回)
基本的に一つ一つの花を眺めることがない、桜の群生を全てを正面を向いて描く、という発想は、ローマで初めて開かれた日本画の美術展、ということと相まって(日本に好意的な独裁者ムッソリーニ政権下だったから可能だったって、そうなんだ;)、非常に示唆的な姿勢なのかなぁ、ということも思わないでもないんですが。
(群れてるように見えても、ちゃんと前を向くことも出来るよ、という表明だとしたら、それは日本人にとって今ですら必要なことだっていう気もします。)


むしろこう、製作時点で弟子と交わしたという「どう思う?」「ツツジに見えます」という会話のほうがなんか信念ある人っぽくて好きですよ。確かにちょっと苦笑くらいはしたかもしれないけど、そういう弟子と、そういう人が周囲にいてくれる自分に安心したんじゃないかしら、だって、正直であることが美徳だとちゃんと思っていたってことでしょう。
つーかこう、確かに一歩間違えるとツツジになるよなぁ。うん;
大きな屏風に夜空、山、月、かがり火、松の木、そして全ての花びらが正面、こちらを向いている不思議な桜の木は、今見るときちんと桜に見えますとも。少しばかり、絵画ってなんなんだろうということを考えないでもありませんでした(リアリティってなに?)。