「現代インドの社会と政治−その歴史的省察」荒松雄

あー、なんというか、ものすごく読みづらいと思います、面白いというかどっちかいうと「現代のインドを題材にした人間についての考察」なのかもしれませんが、著者さんがインドに深く共鳴される性質である以上はまあそんな問題はなく。
私の現代史の認識がそもそもお粗末だしなぁ、と思ってたら、、、なんだ、文体が読みづらいっての後から自覚されてたんかい。早く言って下さいよ。
とりあえず“カースト”については確かに四つに大別されるけども、そしてその相互間の通婚が駄目なことで権威主義的なところもあるのだけれども(西洋や日本の見方も、大枠なだけであくまで間違いというわけでもないのがちょっと珍しい例かと)、その四つの大別の中でも際限なく分離し、地域には地域のカーストの集団が存在し、そもそも時代によってどんどん変化していったのだ、となると身分制度とだけ表現するのは確かに違うような。


そしてヒンドゥー教に関してはあれは私は日本の宗教に似てると思います、来る物拒まずでなんでも飲み込んで、しかもそれに合わせて本体思想までアレンジw
(あとから来た思想や宗教が一方的に吸収されるんじゃないってことだね。)
自分でもそのオリジナルの範囲とか言われたら困るような生活宗教の一形態(日本の四季に関わる宗教儀式って自覚してないだけで無茶苦茶多いぞ、それを宗教だって自覚したら案外近いんじゃないかと)。ヒンドゥ・ナショナリズムって呼び方嫌いだったけど(なんか西洋的で)、著者さんの“ヒンドゥイズム”って呼び方はいいかも。
あと、イギリス支配やイギリス本国への感情は結局どうなんでしょうか、前にもそういやインドの方の文章でどう思ってるかってわからなかったような。言えるのは「庶民にとっては肌の色が違う支配者なんて今までとなんら変わらなかった」くらいかしら。