「東京市電名所図絵」林順信/吉川文夫

今まであれやこれやと東京市電の本を読んできて、市電が公営化される前は「東京鉄道」だったとか、さらにその東京鉄道が三つの私鉄の合併会社なんだよん、というのは何度か聞いてはいたのだけれども(そしてなんとなく漠然とルートも聞いてはいたんですけどね)、当時の路線図とか、三社の鉄道唱歌を読んだのは初めてだったなー。
外濠線のだけは見たことあったんですけどね、どっから出てきたんだろw


んーと、出版は2000年なので平成12年、で「東京市電」というタイトルに相応しく、戦時中に「都電」へと名前を変えるんだよ、という前の時代に極めてしれっと話が終わってしまうもので、災害とか被害というと関東大震災に決まってるじゃないというなんともいえないレトロな体裁になっていたんですが、繰り返しますが平成12年刊行。
著者の方は(共著になってますが、吉川氏の担当は巻末の車両に関してのみなのでかなり役割分担がはっきりしてますね)、確か廃線などを扱ってる方ですよね。前に読んだ本だと市内路線についてはほとんど扱ってなかったんですが、要するにこっちにまとめてあったってことでいいのかなぁ。
この元になった私鉄というのが明治36年に2社開業、明治37年にもう1社。
明治39年に合併、明治44年に東京市に買収、という古さではある意味でそれ以降に登場した市内路線の私鉄がメインになるのも仕方ないと思うのですけどね。個人的にはどういう趣旨で敷かれているのかがとにかく多すぎてわかりにくかった路線(全41系統なのです)が三者三様の場所に展開しているよー、というのがとても面白かったですw
大正の末期から昭和の初期くらいまでに輸送限界来てるのですが、やっぱりそれ以前の話のが面白いと思うんですよね。もっとこの時代読みたいなぁ。