「パクス・ロマーナ(下」ローマ人の物語16、塩野七生

なんというのかこう、人としてあんまり言っちゃいけないことのような気もしないでもないんですが(でも為政者だしなぁ、まあ我々のものではないですが)(個人的に責任を負う者はある程度は「無責任な批評」に耐えるべきだと思っています、ある程度ですけどね、あくまで)。
これはもう血筋が悪いのか育て方が悪いのか、それかよほど根深い反目があったのか一体どの辺なんでしょうかね。
ぶっちゃけ、アウグストゥス氏は連れ子のティベリウスに自分の孫の教育でも頼めば良かったんじゃないのでは、としみじみ思います。
娘さんのユリア嬢だってここまでの人生の振る舞いを思い返しても、彼女だけが悪いなんて誰も思わんでしょう、二番目の夫の時とか幸せそうだしなぁ、子どももいるのに、死んだら即別の相手に宛がったりしなくてもいいじゃん。しかも相性いかにも悪いよ!


という、家庭のトラブル続きではありましたが。
対外的にゲルマン人の御し方を間違えたわりには(ところで、なんで反乱者の頭目が官僚タイプみたいに見えるんでしょう、いや、ついこの間まで未開の地だったからこそ梃子摺っていたのでは)、ローマ内部すらよくまとまっていてなによりです。
あと、ガリアの地に独立国もどきが出来かけ。
ローマ側が討伐を計画していたらお膝元で反乱(上記のゲルマン系のものですね)が起こされ、はっと気付いたらティベリウスと結託していた、という顛末は実にようございました、いろいろと。もともと反乱意思とかなかったみたいですし、なんかティベリウスとも昔馴染みみたいですしね、いや、良かった良かった。