「死者の季節(上」デヴィッド・ヒューソン

とりあえずこう、主人公であるニック・コスタ(ローマ市警の若手)が、重い出来事に遭遇した後の2作めを先に読んでしまったのでもう少し堅いイメージだったんですが(なのでちょっと紋切り型の登場人物とバランスちぐはぐだったっつーか)。
なんだ、ニック・コスタは萌えキャラだったのか。
いや、現代のイギリス人男性が書いたので日本の表現するべきじゃないんでしょうが、女物のレインコート着て報道陣の前を事件関係者の代わりに走り去り、けらけらと笑い、相棒となる中年刑事は「あいつが傷付くところだけは見たくない」と上司に訴えているという辺り、うん、中年男性の夢とロマンが詰まってるね☆ というか。
細心の注意を払って育てているところも素晴らしいと思いますよ。
説得力がないかというとありますしね、細身のスプリンターで菜食主義で融通の利かない生真面目なところがあって、周囲から浮き上がっているにも関わらず、なんとなくそのままでいて欲しい、と願ってしまうのだ、という(一部2作めの描写からですが)。


で、この彼ととある子どもが巻き込まれた交通事故の現場に居合わせて以降、微妙に螺子が狂ってしまった中年刑事がコンビを組まされ、引ったくりを捕まえに出てみるとヴァチカン内部での乱入事件とその犯人が射殺された、という報せが入り。
その場にいた彼女に犯人の様子を聞いてみると、もう二人の男女の死体(片方は倒れると首が絞まる仕掛けに)が発見され、最初の乱入の犯人の妻と彼女の恋人だと判明。その上、その最初の乱入してきた男とも前に付き合っていた、ということで大騒ぎに。
以降、彼女の関係した相手が殺されていく中、罠を仕掛けようとニック・コスタがその女性と仲良くしなさいね、と上司に命令されてしまいましたよ、とそんな展開に。