「危機と克服(中」ローマ人の物語22、塩野七生

えー、三馬鹿皇帝(不謹慎ですがこうとしか言い様がないっつーか、方向性はそれぞれ違いますし、真ん中のオトーの場合は主に「もう少し粘れ馬鹿」というか)の次のヴェスパシアヌス氏の辞世の句、まあ倒れた時点ですか、面白い人だと思いますが訳は本当にあれでよかったのかの疑問は残りました、なぜ倒置法(そこですか)。
あと、私ならユダヤ人ヨセフスの予言(ヴェスパさんが皇帝になるよ、ってあれ)に関しては、ネロ帝の“三将軍の殺害”の後か先かを真っ先に調べるかなー、後ならなにを考えていたかなんて一目瞭然というか、ヨセフスをローマに送って同じ予言されたらヴェスパシアヌス自身の身が危ういじゃないですかw
で、ただ、その意図はヴェスパさん側にもその場で伝わったんじゃないかな、と。
別に当地で拘束(処刑はないでしょう、集団の一番の若手じゃあなぁ)しててもいいのにわざわざ庇護とか与えてますしね、個人的には、ムキアヌスさんとは違ってこっちはわりと合理的に説明付くんじゃないかなー、と、とはいえ証拠はもちろんありません。


ムキアヌス・ヴェスパシアヌスのタッグによる善政と、極めて短期でカタの付いたゲルマン系ガリア人の反乱と(まあ、皇帝側の実力からして妥当かと)。
そしてある程度時間を遡って語られた≪ユダヤ戦役≫、ただ、ユダヤ人に関して語られていた部分に関しては現代イスラエルの印象で全てを語られてもなぁ、、、というのが正直なところでしょうか、ローマのざっと数倍の歴史と「日本以外にいないところがない」(現在もですよ)という民族を、半世紀極少の地域で語ってしまうのは少々乱暴な気がするのですが、まあ、偏見そのものは昔っからあるから大したこともないのかなぁ。
もう少し後の巻でまたまとめて語られますのでそこで改めて。