「ダ・ヴィンチ・コード」下、ダン・ブラウン

聖杯っちゅーのは、えーと、テンプル騎士団が見つけたとされている人類の叡智がどうの財宝がどうのってそういうシロモノでしたっけか(日本人にはこの単語そのものくらいしかいまいち実感がないんですよねぇ、なんか追われてる物くらいにしか)(もうちょっと精神的に深い意味があるらしいんですけどね、徳川埋蔵金と同列っちゅうか)。
で、それを追うのがじいちゃんがもともと聖杯の管理者だった孫娘ソフィー、学者としてはすれっからし、人間としてはあまりにもまともすぎてなんか突き抜けてる感がないでもないラングドンさん。得体が知れないながら、けして悪い人ではないと思ってたのにー! という好事家で金持ちで聖杯フェチ、半身不随のイギリス貴族。
忘れてましたが、孫娘がフランス産で学者がアメリカ産です、バランスいいのかしら。
ところでこう、世界の西半分くらいは揺るがす超大風呂敷、かと思っていたら、最終的に座るのにちょうどいいサイズにまで折り畳まれていた逆ジェットコースター状態は見事でした、ああ、あの人もこの人も責務に忠実なだけだったとは(ネタバレ気味)。


ラングドンさんではありませんが、私も今のローマン・カソリックは人畜無害だと思うし(もちろん陰謀とかじゃなくて世界に及ぼす影響のことですよ)、例えば奇跡がありえなくても神がいないのかもしれなくても、それを信じてなにがいけないの? と思うたちです。
別にそれを悪用する存在がなきゃいいし、いたらあくまでそっちをぶっ飛ばすべきであって信じた人が悪いってわけでもないじゃんな。
ソフィーのじいちゃんが呼び寄せようとしたのは、“知恵の実”を食べてなお、揺るがない良識だったんでしょうか、もう確認は出来ないんですか。そして孫娘が手に入れたものは家族でしたと、めでたしめでたし(聖杯と話がつながるんですよこれが、すげぇw)。