「フランスの中心 ブルゴーニュ 歴史と文化」饗庭孝男(編

ブルゴーニュ、というのはフランスの地方の名前で、まあ、大雑把に起源を辿ると現在のフランスの前身である“フランク王国”がこの地に存在する以前からその地にあったブルグンド王国(ゲルマン系なのでドイツ読み、ブルゴーニュがフランス読みです)が、若干のごたごたの後フランク王国に平定され、その後、ローマ時代からの文化度の高さから独自性は守っていたものの、カペー朝、ヴァロア朝とむしろ王家と接近して領土を拡大し。
(現在のベルギーとフランスの間に跨るフランドル地方。)
ハプスブルク家とも関わるようになったのち、家系が断絶してしまい。
フランスがこのブルゴーニュを、スペイン(ハプスブルク)がフランドルを、というような配分になったようですね、ちょっと地域がズレますが、のちにベネルクス三国は独立を勝ち取るわけですが、これがスペインからっての不思議だったんですよねぇ、ははは。


他に中世のクリュニー修道院(ローマ直轄、フランス王ですら手が出せない)、そこから派生、というより反発するように生まれたシトー派修道会、そのシトー派がかつてローマ時代から作られていた、という葡萄作り、ワイン作りを復活させたんだよ、というこれ自体は日本人でもよく聞くんじゃないかな? ブルゴーニュ・ワイン。
この地に点在するロマネスク様式の教会(中世の初期、ローマ風、という意味で、彫像などが若干異教的)。
騎士文学、とここまででまあ、大概古いっていうか、ほとんどが中世の内容になってしまっているんですが、極め付けに三ツ星レストランのシェフが、この地の料理人は伝統重視! ということを述べられているところをみると、まあ、とことん「そういう土地なんだな」と納得したほうがいいのかもしれません。いやからかってるわけではなく。