「図説 ロマネスクの教会堂」辻本敬子,ダーリング益代

この、ロマネスク、という言葉自体が“ローマ式の復興”というような意味があるようですが、個人的には説明を聞いている限りは、技術がほとんど全て失われた後、また一から自分たちで作り上げていったような気もするなぁ、という中世ヨーロッパ初期の話。
とりあえず、石造りの家の場合、まず「屋根をどうするか」という問題がありまして、ここで比較的容易に作れたのが石を積み上げていくアーチ(今の意味と同じです)、このアーチを横に、ずっと並べていった形がヴォールト。
このヴォールトを壁の上に設置する形でまず屋根が作られたものの、この壁との2箇所の接点のみで力を支えるため負荷が大きく、壁に大きな窓が作れず、変わりにこの壁やヴォールトの中に横向きにヴォールトを組み込んで穴を開ける、という内容って即理解に至れるものかなぁ、と。
で、私は駄目でした、1週間近く掛かかりましたよー(ヴォールトまではなんとかなるんですけどね、絵があると理解しやすくはあったんですが...orz)。
あと難物だったのがドーム、いや、ドームも機械的に積んでけば作れるものなんですが、これを屋根にするために四角い壁の上にでんと乗っけるわけにも行かず、四角から擬似的な丸みを付けて積み上げていく屋根を作ったり(尖頭ヴォールトってひょっとしてこの系統の技術かしら?)、あらかじめ半円にくり貫いた四隅を四角い壁の内側に貼り付けたり、という辺りの理屈は結局わからないままですよ、なにがやりたかったのかを理解したところで見事に討ち死にですよ。


いえ、各修道院や教会堂も彫像(なぜキリスト教なのに異形??)も紹介されていたんですが、やっぱり理論が後に残る本だったなぁ、まあ、やり遂げ感は若干ありますが。