「エドワード三世」シェイクスピア

正直この『エドワード三世』がシェイクスピアの真作かどうかが怪しい、ということは前から薄っすら聞いていたのですが(むしろシェイクスピア以外の劇作家知らね)、ある意味で逆に「最後に残った疑問視されている作品」と聞くと、それはそれで価値があるような気がしないでもないというか、あ、案外少ないんだなー、というのが実感です。
(そしてもともと共著がシェイクスピアとされてる以上、一部でも可なのだとか。)


時代は英仏の“百年戦争”と呼ばれる初期の頃。
大雑把にイングランド王が「フランス王位を要求した」ということが発端となった戦争を描いた劇で、ぶっちゃけて特に面白くないです、いやだって、イングランド王エドワード3世がフランス軍を敗退させた土地の人妻にふらふらっ、となってこっぴどく振られ。
イングランド王太子がフランス軍とものすごい人数差(これだけ読むと、イングランド王が息子を殺す気なのかそれは、と思えないでもないっす、いや、多分王太子のすごさを強調しようとしたんだと思うんですが、そりゃ負けるよ! という徹底した準備不足、しかも二回かよ)の絶体絶命の中から、二度も奇跡的に生還し、フランス王まで捕虜にしたよん、というところで終了になっているので消化不良もいいところだというか。
その上で、この史劇自体がスコットランド王の去就がテーマでね、と言われても、ああ、出てきたのはなんとなく記憶にあるけど、イングランドと敵対してフランスと同調して露骨に失敗してたことしか覚えてねーぞ、という体たらく。
ちなみにエドワード(父)、「ふしだら」とからかわれたのは貴方です、息子さんではないです、なんで擦り付けてんだよ! とか細かいところが楽しいです。
あと、エドワード(息子)は何者ですか、なんか憑いてませんか、すごくね?