「ユネスコ・アフリカの歴史」第1巻、上(前半)

えーと、600ページくらいのA5の本で全7巻が上下組(14冊ですね)。
先は長いですがとにかく厚い本ですので一冊を前半・後半に別けてのレビューを書いていくつもりです、とりあえず言っちゃあ悪いですがかなり純粋に難しい、いや、この本が、ではなくてアフリカの歴史認識というのがかなり大変です。
文献資料が必ずしも正しいとは確かに思わないんですが、表面上のお付き合いしかするつもりがないヨーロッパの学者たちに口承の人たちが「真実」を告げるつもりが全くなかった上、そもそもフランスで“グリオ”と呼ばれていたディエリという層がどうも宴会御用達の「真実を語らなくてはいい芸人に近い存在」だったらしいという時点で、アフリカに対しての理解が浅い部分に関しては仕方ないような気もしますが。
それで一端に語りつくしてそれを全てとして理論構成して、アフリカに歴史観を逆輸入するに当たっては、、、邪魔臭いですね、正直ね。そして文字文化、というより正式には学者が語った歴史以外への軽視(欧州の中世が暗黒の時代とされていたってのもその流れだったなぁ)がアフリカに当て嵌められた場合、評価がものすごく低くなったと。
口承が扱うのが難しい、大変な作業である、というのはわかりますが、それをもって完全に排除して「歴史がない」っていくらなんでも図々しいよなぁ。と、いうことばかり語っていてアフリカの歴史に全然触れてないんですが、とりあえずそこからのようで。


本当に300ページほどまでの7割はこういう内容です、そして1990年発行にも関わらず、いまだに自分にもばっちり当て嵌まるところが多すぎます。アフリカの知識人が徐々に増えるに従って徐々に歴史認識がされてきたのだ、という流れのようです。
しかし口承の歴史同定難しそうだなぁ(数代すぎるとまとめてしまうのね;)。