「ヘンリー四世 第ニ部」シェイクスピア全集16、シェイクスピア

ここまで『エドワード三世』、『リチャード二世』そして『ヘンリー四世 第一部』という順番で読み進んできたんですが(時代順であって刊行順ではないです)、まずエドワード3世がフランスと戦い、その孫であり、フランスとの百年戦争の英雄的存在であるエドワード黒太子の息子でもあるリチャード2世はフランスと講和を結び。
その反発もあって国内の貴族の反感を食らって従兄弟に王位を簒奪され。
そして王位に着いたのがこのタイトルでもあるヘンリー4世。


さらにこのヘンリー4世の息子がどうにも飲んだくれで悪い友人ばかりのろくでなしで心配だ、という嘆きで始まり、そもそもヘンリー4世が自身が王位簒奪にて王位を手に入れた身分の上、その貢献にあった家臣を優遇しなかったことから不満が蓄積。
後継者までが覚束ない、ということで国内が荒れたところが第一部。
そのクーデターの中でヘンリー4世が危篤を迎え、一応曲がりなりにも改心した息子がその国内騒乱を収めるまでがこの第二部(微妙に区切りが違うんですが)、といったところでいいのかな?
まあとりあえず、一部、二部を通して「活躍」していたのは間違いなくフォールスタッフ氏というか、戦場でも酒場ですら活躍というと語弊があるような気もするのですが。
王の死や互いの思惑の変化や交差によって国内の情報が混乱する中、クーデターに有利な情報がもたらされるたびに狂喜、実は違う、という程度の見せ場しか反乱側には用意されておらず、王太子はろくでなしだった頃のほうがまともだった気もしないでもなく。
そもそもこの短い時間で2度目のクーデターというのも落ち着かず、ある意味で、全ての状況を嘲っているのがシェイクスピアだったのかなぁ。それだとわかりやすいんだけど。