「エリザベス一世−大英帝国の幕あけ」青木道彦

イギリス、というか、英国の主要地域をなすイングランドの歴史は細かい人はノルマン・コンクエスト(いろんな意味で途中だと思いますあれ;)から、大雑把な方はこのエリザベス1世の父親である「イングランド史上最悪」の暗君とされるヘンリー8世時代のごたごたから、彼女の弟、姉から女王エリザベスへと至った変遷と、イングランドが≪英国国教会≫という独自の宗教を立ち上げた経緯から語り始めるみたいなのですが。
(大雑把にそれ以前ってややこしくて流れで説明できないんですよねぇ。)

さて、この彼女がなにもイングランドに限らず紛れもない名君だ、というところまではともかくとしてなぜ彼女が名君か、ということが正直よくわからない。
生涯を独身で過ごし、各国の求婚をその時々の政治に生かし。
恋愛をすることがなかったわけではないけれど、恋愛を国のために利用することはあってもその逆がまずないとか。
案外、最終的にぎりぎりになるまで信義を大事にしたとか(スコットランドの元女王、メアリへの態度はそうとしか表現出来ませんよね)、スペインとの間で大規模な争いになることを避け続けていたものの、いざとなると腹を括ったとか。
自分はカソリックの典礼が好きだったのにも関わらず、国内の宗教制度改革を推し進め、それすら国内を掌握するのに利用し、それど、あまり急進的な改革者は退けたとか。
ある意味で女の立場の弱さや、粘り強さ、結論を決めないことも全て利用し尽くした普通に名君なのだろうけれども、それでもなんで稀代の名君なのかは微妙にわからないw
この後、イングランドはスコットランドを結果的に手に入れ、アイルランドの揉め事は微妙に残しつつも世界の海に乗り出して行くわけで、実に不思議なんだよなぁ。