「ブルゴーニュ国家とブリュッセル-財政をめぐる形成期近代国家と中世都市」藤井美男

ブルゴーニュ国家というのはこの当時だと「ブルゴーニュ公国」かな? フランスのヴァロア王朝の傍系で、現在もブルゴーニュの名前がフランスの県として残って入るのですが、まあ大雑把にあの辺から(アバウト、ワインで有名だったりしますね)ベルギーの国境沿いであるフランドル、そもそもタイトルになっているブルゴーニュの中心都市であったブリュッセルは現在ベルギーの首都をも含み、どこの国家からも半ば独立した巨大な存在であって(後にハプスブルク家との縁組でスペイン王家の支配下になりましたが、この本はそれよりも前の時代、んでもってそさらにその後独立するわけですが)。
ある意味で歴史的にそれなりに重要ではあるものの正面切って扱った史書はない。
なのでまず、各地に分散している帳簿の類を使って研究する必要があるよね、というところまではそんなに面倒な流れでもないのではないかと思うのですが。
さすがに現代のその地域の状況や地位、経済に関してから語り始め、その次に歴史学の変遷、そこから徐々に二次資料(歴史書以外、日記なんかはわりと早いうちに評価されてますけど、帳簿の類はなかなか難しいよね)が注目され始める展開を経て。
さて、その肝心の帳簿がどのように保管され、世に出たかに触れ。
最終的に現在ある程度まとまっている帳簿類を分類して終わり、という段階で察して下さると幸いなのですが、ぶっちゃけて研究が発展途上でまだまとまってない!


まあもちろん、分析の前提となる別の商人たち(国際的に活躍していたイタリア商人やらユダヤ人)や、資料の元となったブルゴーニュ国家の歴史とか多少は触れてあったんですけどもね、、、もちろん研究そのものの前提を語るのも重要なんですけどもね。
歴史学そのものに興味があったら覗いてみるのもいいかなとは思います...orzつかれた